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スーパーボールが落ちていたので、
拾った。 昔、なんとかバケーションとか、なんとかジェネレーションだか言うドラマで、 スーパーボールを落っことすと同じ高さに跳ね返ってくるとか言っていた気がするけど、 そんな事は全然無くて、 このスーパーボールだとだいたい70%減。 30%こちらから力を足してやって、ようやく同じ高さで返ってくる。 地面に叩きつけながら家路を辿る。 懐かしい。 昔はたかだか路傍の小石一つを蹴っ飛ばしながら、 たとえばサッカーの試合に見立ててみたり、 「小石を上手な位置に蹴るというスポーツ」を設立し、さまざまな必殺シュートを考えたりしながら帰ってきたもんだ。 小石一つでそこまで広がるのだから、 もしあの頃、帰り道の自分にスーパーボールを与えていたら、 剣と魔法のファンタジーだとかスペースオペラだとか、 とんでもない物語を想像していたのではなかろうか。 反対に、スーパーボールという物質にとらわれすぎて、 何にも考えられなかったかもしれないけど。 そして、力加減を間違えて、どっかの塀の中に入っちゃって、 そのまま永久に失っていたかもしれないけど。 そう考えると、この道端にころんと転がっていたスーパーボールは、 どこかの誰か、あの頃の自分みたいに一人で家路を辿っていた少年が、 何かの物語を考えながら帰っていて、そして、どこかにやっちゃったヤツなのかもなあ。 結局、スーパーボールはそのまま家に持って帰った。 水道の水でキレイにする。 ピカピカとまではいかないが、なかなか鮮やかで、よろしい。 ひとしきり遊んだら、どこかの道端に転がしておこう。 誰かがそこからとんでもない物語を想像して、世界を席捲するやもしれないし。 そうでなくても、誰かの帰り道の間が、少しでも埋まれば良いんじゃないかな。 野間 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年08月03日 01時50分31秒
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