アルジフザイ
ただ今‥主人の居ない寿司屋のお座敷で眠っている。人生どう転がり‥転がり眠るか‥わからない。以前、横浜の芝居で共演したシュウジさんと昨夜会い、呑んだお店がこのお寿司屋さん。お寿司屋 兼 居酒屋いや、というか今は居酒屋 兼 お寿司らしい。シュウジさんが上京以来ずっと常連のお店なのだ。決して、綺麗‥と言えない内装だけれど‥なんとも言えず、温かい。マスター(寿司屋当時は「大将」だったのだろう)がとってもユニークで温かいのだ。町内の仲間がここに集まり、お、今日早いねとか久しぶりだなぁ、どうしてたとかたくさんの種々様々な気持ちが集う、仲間たちの受け皿の様な、居心地の良い空間。生ものを扱う寿司職人だからこそ、生身の「人間」も取り持つのがうまい、のかもしれない。シュウジさんのお話が楽しく興味深かったので、すっかり終電を逃した僕らに、「ここで寝てっくかぁ?」とマスターが、ほろ酔いの赤ら顔で勧めてくれた。「朝出てく時、鍵とストーブだけ頼むな」と言い、南京錠と煮出した烏龍茶を置いて自宅へ帰っていったマスター。この信頼感はなかなか無い。色々な人生を見て来て経験して来たからこその、この懐の深み‥大人だなあ。面倒をみられる事に馴れている僕は、面倒をみる側に憧れる。しかし、これから朝の仕事‥眠い‥だけれど良い夜だった。シュウジさんマスター有難うございます。-みずのしま-