カニの話。
先日の仕事場からの帰り道に「かに道楽」と煌々と輝くネオンが浮かんでいました。それを見て一緒に帰っていた数人が、「うわーカニ食べたい」「この季節のカニは最高だ」というようなカニ賛辞を口々に発しています。その場は僕も「そうですよねー」的な社交辞令発言でお茶を濁して同意の人の皮をまとっていたのですが、30年間生きてきて、実はそこまでカニに魅かれたことがありません。カニといえば、通販番組で取り上げられるほどの食材ですからある程度万人受けするものであって、さらには回転寿司屋での値段などから見るに高級食材の部類に入るとっても良いでしょう。似たような高級食材にウニがありますが、実はこちらも僕はあまり好きではありません。が、ウニに関しては好きな人が何故好きなのか、ウニの味のどういう部分が好きなのか、ということは何となくわかります。しかしカニに関しては、その人が好きになるポイントすらいまいちわからないのです。食べずらいわりに身が少なく、味が薄く水っぽい。白いご飯に合うかどうかを美味しいの基準とする僕としてはこれほどおかずに向いていない食材はないと思ってしまうのです。この話を北海道出身の水島あたりにすると、「それは良いカニを食べていないからだ」などと言われてしまいそうですが、よっぽど安価なエビやイカの方が僕の口にはしっくりきます。まあ寿司に行っても金のかからない舌ということで悪いことがあるわけではないので良いのですが、一度唸るようなカニに出会ってみたいとも思うのであります。 KUMA