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Der ehrliche Pfeil - Spur einer Reise

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2006年06月08日
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カテゴリ:思いっきり日常
この間、教えている生徒の家へ行った時、その家のおばあ様が、

「やまんに持って帰ってもらって!こうも寒いと暖かくなってから一気に咲いちゃって、命が短いから」

と、そのお宅の庭に咲いている野バラを数本小さい花束にして持たせてくれた。

お店で買うのとは違って、ちょこんと手に収まる感じの可愛らしいサイズの赤と白の野バラ。
赤は限りなく深く、白は少しクリーム色がかっていて、綺麗についている落ち着いた緑の葉とのコントラストがとても上品。

帰ってきてローゼンタールの一輪挿しに入れて、何気なく祖父の写真の横に置いた。

3月初旬、私が卒業論文の最後の追い込みでてんやわんやの時の突然の祖父の最期。
あと1週間待てば私は日本行きの飛行機の中だったのに、一番可愛がっていた私が帰るまで、おじいちゃんはぜったい待ってるよ、と家族の皆が思っていたのに、脳内出血で倒れて3日目、容態が変わり、急逝。

その母方の祖父に続き、1週間後には父方の祖母も最期を迎える。
私が日本に着いたその日が祖母のお葬式で、空港から直接葬儀場へと向かったんだったなぁ。

どちらの祖父母も、もう体はなくて、写真とお骨だけ見ても、その前後の記憶が切り取られたようにすべてがうそ臭い。
どうしても、また次に日本へ行ったときにはいつもの場所に二人が座って「おかえり~」と話しかけてくれるような気がして今もならない。

写真の横に花を飾るなんて、亡くなった人にお花を供えるみたいで(実際そうなんだけど。)・・・とどうしてもできなかったのに、その野バラはしっくりと私の大道具の上で、祖父と祖母の写真の横で、なじんでいる。

たまたま電話をしてきた母に、
「野バラが綺麗でさ、おじいちゃんの横にさぁ」
と話したら、
「昨日はおじいちゃんの百か日だったのよ」だって。

そうかぁ。なんとなく納得。

そんな小さくて可憐な野バラ、すくすくと水を受けてこぼれんばかりに咲いております。





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Last updated  2006年06月08日 07時23分19秒
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