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カテゴリ:読書
■今日の読書
〈育てる経営〉の戦略 ポスト成果主義への道 痛快に成果主義を斬ってくださっている一冊。 成果主義の失敗として 1.大多数の人には差をつけること自体が徒労 →グレーゾーンまで差をつける必要があるのか? 2.点数の逆算が不満を高める →全社的な枠の取り合いの中で評価の調整→部下の不満 3.上司の好き嫌いまで点数・給与に反映する不条理 →上司の機嫌を損ねると成績下がる→イエスマン蔓延 4.客観的=無責任 その結果として、 ・1年以内に結果の出せる仕事しかしない ・低い目標しか掲げない ・客観指標、例えば成約件数を基準に挙げると採算度外視で件数を稼ぐ ・現場での事件事故対応をしない ・部署間に発生する三遊間のゴロ的な仕事は誰も拾わない と著者は明かす。 じゃ、本当の評価とは何か? ずばり「君とまた仕事がしたい」と言われることである。 人は金のために働くだけではない。もちろんお金にもモチベーション効果はあるが、インパクトが強すぎるのだ。麻薬中毒患者のように、もらったときは嬉しい金銭的報酬が心を蝕む。 もともと仕事と満足はくっついているはずだったが、そこに金銭的報酬が投げ込まれると、仕事と満足の間に割って入り込み、分離させられる。 その意味で従来の日本的年功制は、次の仕事の内容で報いるシステムであった。仕事の差がそのまま成長の差につながり、昇進の差になる。 よく成果主義の下では、部下を育てる余裕すらないと言う状況を聞く。後輩の面倒を誰も見ないのである。20年後の企業を支える人材をどうやって育てるというのだろう? これからは自社で「育てる経営」である。 著者の主張は的を得ていて、面白い。90年代に一斉に導入された成果主義も見直すべき時期がきたのではないかと思う。 ご参考までに 「育てる経営」と言えば、この企業は面白い。↓ 無試験入社、定年なしで世界レベルの「匠」を育てた また、成果主義の崩壊では、この本が有名ですね。 内側から見た富士通 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.07.31 11:43:13
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