プロ棋士とコンピュータ将棋の対戦について
3月から4月にかけて、プロ棋士とコンピュータとの将棋の対戦があり、コンピュータ側が3勝1敗1引き分けでコンピュータが勝ちました。私は将棋は素人で専門的なところは良く分からないのですが、ネットの記事などを見るとやはりコンピュータはプログラムされた内容を正確に実行するという能力を駆使して勝ちを収めたのではないかと考えています。それが顕著に現れたのが塚田九段との対戦だと思います。入玉の場合の駒の評価の仕方が十分ではなくてコンピュータはと金を作ったりしていたようです。現時点において、コンピュータは創造力を持っていないため、創造力を駆使する人間との対戦は本質的に無意味ではないかと思っています。仮にコンピュータに人間が勝てなくなったとしても、それは今のルールではコンピュータのプログラムがいかに広範囲(=過去の棋譜を分析した)をフォローしているかを評価しているに過ぎないからです。将棋に限らず、ゲームのコンピュータは人間の動きを模倣して、ミスしないようにプログラムを組んでいるのが殆どだと思います。必勝法が確立されていない将棋においては、詰みにつながる読みの正確さが勝負を左右する中盤、終盤では人間側がミスすることは許されず、本質的に不利ではないかと思います。従って、人間側が勝つには創造力を発揮する序盤で差を広げて、そのまま終盤まで逃げ切るという形にならざるを得ないと思います。このパターンの勝負がずっと続くのは興ざめな気もしています。今はちょっと注目されていますが、この勝負は近い将来しらけるのではないかと予想します。また、今後は高性能ソフトのおかげで、プロアマ問わず将棋の中盤、終盤の戦術が大幅に進歩するのではないかと思います。将来の将棋の変化に期待したいという興味は尽きないのですが、創造力を発揮しない、後追いの正確さだけがとりえのコンピュータとの勝負は近い将来盛り上がらなくなる時が来ると思います。