072466 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

小説家、坂上琴の徘徊迷走日記

小説家、坂上琴の徘徊迷走日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

がちんこごっちゃん

がちんこごっちゃん

Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List

2017.01.16
XML
カテゴリ:備後・福山情報
ふくやま文学館で「趣味の人・井伏鱒二」と題する講演会が開かれた。
 この館で「ふくやま文学館所蔵資料が語る井伏鱒二」と題する展示が昨年暮れから3月5日まで開かれているのにちなみ、同館の館長さんが話した。
 この館長さんは、井伏の個人文学館ともいえる同館の館長を任されるだけあって、井伏研究では第一人者だそうだ。なんでもこの館では、今年度(2016年度)に3回、福山出身の井伏に関する展示を行っており、3回目の今回は、井伏の作品に関する展示でなく、趣味や交遊を通じた人となりを伝える企画展にしたのだそうだ。

 井伏鱒二(1898~1993)は、明治・大正・昭和・平成を生きた文学者である。初期の山椒魚のような短編や、本日休診、遥拝隊長、駅前旅館などのユーモアとペーソス溢れる短編から、60歳過ぎての代表作であり原爆文学の金字塔「黒い雨」まで、数多くの多彩な作品で知られる。
 福山市はミステリー文学の新人賞を主催しているが、そんな賞よりも、井伏を顕彰した「井伏鱒二文学賞」こそ、福山の名を全国に高らしめる賞だと思う。

 館長さんの講演は、時折、館の企画展の宣伝を挟みながら、滑舌よく堂々とした話が続いた。聴衆は定員80人に対して60人ほど。平均年齢は70歳を超えているだろうか。地元福山出身の文学者にかかわる講演を、もっと若い人にも聴いてほしかった。

 格調高い講演で、残念なことを一つ。井伏が将棋好きであったことは広く知られているが、この館長さんは、将棋と囲碁の違いをよくご存じないようだった。将棋の話をしていた途中で、囲碁を指すなどという面妖な言葉が挟まれる。配られた資料に井伏の将棋五段の免状の文面が引用されていたが「日本棋院連盟」なる団体名が記されていた。
 日本将棋連盟か、日本棋院か、どっちやねん。
 ここは当然、日本将棋連盟でしかありえない。日本棋院連盟なる署名であれば、偽免状だ。

 いくらご高説を聴いても、一点の事実誤認、間違いで、講演そのものが嘘くさくなってしまった。内容のある、興味深い講演だっただけに残念だ。リアリティのある小説を書いても、一つ、事実誤認があると嘘っぽくなってしまうのだなと自戒したしだい。

 この館長さん、よその講演でも、日本棋院連盟などとのたまわなければよいのだが。ふくやま文学館のみならず、井伏さんの名誉にもかかわってくる。


にほんブログ村 地域生活(街) 中国地方ブログ 福山情報へ

にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.01.16 09:00:06
コメント(0) | コメントを書く
[備後・福山情報] カテゴリの最新記事


Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

yamateyama@ ありがとうございます  佐々木様  読んでいただいて、ありがと…

Headline News


© Rakuten Group, Inc.
X