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カテゴリ:坂上琴の周辺
犬と猫をとおして見えてくる人間の姿 ~作品HPより
動物には関心がないというひともいるかもしれません。 でも、捨てられた命を懸命に救おうとする子どもや大人の姿から見えるのは、「いのち」への愛情です。捨てる人たちも、動物が嫌いな訳ではありません。そして、動物の処分を担う人たちにもまた、愛情があります。 それは私たち人間が抱えるエゴと愛。捨てるのも人間なら、救うのもまた人間です。 「犬と猫と人間と」からは、知られざる多くの現実の先に、「かわいそう」という感傷を乗り超える、ささやかな希望がみえてくるはずです。 ドキュメント映画「犬と猫と人間と」が4日、エフピコRimで上映されました。飯田基晴監督による2009年の作品で、神奈川や神戸、徳島など全国の動物愛護センターを丹念に取材した労作です。各センターや動物愛護のNPOの下で飼育される愛嬌のある保護犬、野良猫の姿がユーモアを交えて描かれています。 稲葉恵子さんという一人の女性の「不幸な犬猫を減らしたいので映画を撮ってほしい。そして私の生きている間に作品を見せてほしい」 という依頼で始まった映画製作。撮影された当時、全国で32万頭の犬猫が殺処分されていましたが、2015年には8万頭あまりに減っています。 映画では、動物愛護の先進国イギリスにも取材を広げています。イギリスでは原則として、ペットショップで犬や猫の販売を行っていないそうです。犬、猫一匹ずつを収容するためのスペースがゆったりと定められており、日本のような狭いゲージに閉じ込めて展示することは認められていません。よって、高級デパートのようなところでなければ、商売として成り立たないということです。 イギリスでは、愛護センターやブリーダーから犬、猫を買い求めるのが一般的です。愛護センターから保護犬、猫をもらい受けるには、飼い主の厳格な審査があります。 そんな実態が、飯田監督による語りとともに、淡々と描かれます。 稲葉さんは映画完成前に亡くなり、岩手県一関市のお寺にある樹木葬の墓地に眠っています。きっと、この作品を天国で喜んでいるだろう、そう思える出来栄えでした。 映画のDVDを使った自主上映会が全国で開かれています。機会があれば、ぜひご覧ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.02.06 13:19:35
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