最高の土産は、Cランク
両親はゆっくりスケジュールでうちにやってくる。今日は天気が良く、蜃気楼の出る確率は40%(高い方)。朝から海岸には多くのマニアが待ち受けている。蜃気楼が出ると、やまやろうのケータイにメールが入るようになっているので、それを待つ。昼前に海の駅に車を走らせ、両親の手土産を買いに行く。うをーここも人と車でいっぱい、堤防沿いには蜃気楼待ちの人だかり。店内も観光客などで賑わう。買ったらいったん戻り、昼食とする。嫁さんの料理がテーブルに並び、いただきますと言った時に、メールがやってきた。そら出た!と双眼鏡をひっつかんで両親と海岸へ急ぐ。生地方面を見ると、海沿いの家がゆらゆらしている。これは蜃気楼なのか?素人目には判別がつかない。メールにもランク不明とある。ランクとは、見えやすさと出現時間によって、AからEまである。じっと見ていてもよく分からないので、うちに帰って飯を食べる。みそ汁が冷めてしまって、嫁さんに申し訳ないことをした。午後からは新川牧場に皆で出かけようとしていたが、急遽中止して、蜃気楼出現に賭ける。そして本日二度目のメール。富山方面にも蜃気楼が出たとある。ランクはCとなった。それーと今度は嫁さんとむすこも参戦。双眼鏡で富山方面を見ると、かすんでいて分かりにくいが、街並みが一枚の壁のように伸び上がっている。これぞ蜃気楼だ。母にも双眼鏡をのぞかせる。父はビデオ撮影に忙しい。少し時間が経つと、より分かりやすくなった。手前を進む船が歪んで「ロ」のように四角くなったり、船尾と舳先が縦に伸びて「凹」のようになったりしている。やまやろうは久しぶりに見たので興奮した。両親にとっては、たまたま来ていた魚津で蜃気楼が見られて、とても感動していた。むすこは何も分からずにこにこしていた。埋没林博物館では、蜃気楼を見た際に受け付けに行けば、証明書を日付入りで発行してくれる。我々もさっそく車で向かう。両親にとっては、最高の土産(自慢話)となったであろう。孝心が 現となりて 蜃気楼