夜更かしして読了
仕事でずっとパソコンに向かっていて、消費カロリーが少ないのにもかかわらず、会社の食堂で丼物を残さず食べてしまうやまやろうです。腹がいっぱいで苦しいのに平らげてしまう。そして午後からは瞼が重たくなる。コーヒーを飲む。頭がぼんやりする。悪循環。頭がぼんやりする理由は、夜遅くまで起きて読書をしているからだ。図書館で借りてきた角幡唯介『アグルーカの行方』。今週末が返却期限だったので何が何でも読み切らねばならなかった。酒飲んでブログして後はもう布団に入るだけという時刻から、ページを開く。一旦読み始めたらなかなか終わらないのだ。もちろん内容が面白いからである。著者は一時期富山県内の新聞社に勤めていたことがあって、何となく親近感がある。年齢も近いし。で結構読んでいる。読んだ順に挙げると、『雪男は向こうからやって来た』『空白の五マイル』『探検家、36歳の憂鬱』『川の吐息、海のため息』となっている。特に4冊目は黒部川の排砂についてのルポルタージュだ。余り話題にならない連携排砂であるが、県人ならば何が起きているのかをこの本で知ってもらいたい。アグルーカに戻るが、100日以上かけて北極圏とツンドラを徒歩で縦断するという行動に敬服する。自分だったら4日、5日間のG会合宿でも最後の方では下界が恋しくなるのに。精神力と体力が違うのだろう。こういった世界を渡り歩いて現地の何かを文章で伝えるという書籍はたくさんあって、やまやろうは中でも高野秀行が気に入っているのであるが、あちらは結構洒脱な文章なのだ。さくさく読めるが現地の風景も浮かぶ。対してこちらは割と硬めだ。新聞社出身だからかもしれない。風景よりも心の動きをしっかりと書いている印象がある。自分の頭の中の考えを人に理解してもらうために丁寧に書くというのはなかなか大変な作業だろう。頭に浮かぶことなんて「いいわー」とか「やーわ」とか感情が少なからず入るわけで、その「いいわー」は自分自身は4文字だけで納得できるのだが、他人に説明するのはかなり難しいだろう。それをこともなげにやっているのだ。氏はこれから、極夜の北極を旅するらしい。次はどんな作品が紡ぎ出されるのだろうか。→ブログアグルーカの行方著者:角幡唯介価格:1,890円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る