立山テレマークスキー(御前谷-タンボ平)
「Yた観光」の日帰りBCツアーに参加した。「持っている男」のおかげで、素晴らしいバックカントリーツアーとなった。5:30 会館集合。Yたさんの車に5名乗車で立山駅に向かう。6:25 砂防博物館裏手の駐車場に、満車ぎりぎりで入った。駅前でT中さんと合流。立山駅前は人の列が長い。臨時直通バスも運行している。大型連休最初の晴天、人が押し寄せるのも無理はない。7:10 ケーブルカー発。直通バスが出たので、すし詰めではなかった。7:30 高原バス発。標高1270mくらいから新雪が残る。雪の大谷は開通時18mあったが1m減ったとか。それでもバス3台分の高さ。8:16 室堂ターミナル着。登山指導員にS木さんとT井さん。前日に山崎カールの雪面クラックに人が落ちたそうだ(救出)。8:58 シールを付けて出発。足回りと参加者は以下。テレマーク3名(Yたさん、山ちゃん、やまやろう)、山スキー3名(Dさん、T中さん、ミホちゃん)。雪は純白にリセットされ、天候は快晴。T中さんが参加する山行は、会心の山行ばかりなので「持っている男」と呼ばれている。今回もそんな感じだ。ウェアリングは、モンベル・ジオラインLWラウンドネックシャツに、ウール長袖に、モンベル・クラッグジャケット。やまやろうの定番になっている。ミホさんは前夜に敢えて自らに試練?を与えていたようだ。やわやわと登らんまいけ。スキーツアー客の列が雪面に映える。ハロが出た。雷鳥沢のキャンプ場にテントがたくさん設営されている。浄土山北東斜面は、滑ったら気持ちよさそうだ。一ノ越の直下は斜度が出るので電光型を刻む。やまやろうの古くて短いシールでもずり落ちることはなかった(技術です)。10:15 一ノ越。雪が切れた。荷物を降ろして休憩する。登山者、スキーヤーが多い。御山谷はまぶしい大斜面。滑りたいがここは我慢。我々は雄山に登り、社務所東側の御前谷を滑る計画なのだ。時間があるので資料用の写真を撮影しておく。龍王岳北面の滑降も以前から気になっていた。試してみたい。10:47 バックパックに板を付け、アイゼンを履いて出発。登山道には、ほぼ雪はない。登る人、下る人はかなりの数だ。超軽装の人もいて、山をなめているのかと感じた。のぼりルートとくだりルートは分かりにくい。赤と黄のペンキマークで分けているのだが、酸素が薄くて判断力が低下していたのか、楽な方へ進んでしまった。普通のおばちゃんに「ここ下りルートですよ」と注意された山屋の悔しさと言ったら。11:30 三ノ越。稜線上は風が吹くが日差しがあるので凍えることはない。汗をかかないペースでゆっくり登る。12:12 雄山三角点。板も下ろさずすぐさま御前谷の様子をうかがう。滑り始めが急斜面で谷の全貌が見えない。斜度が緩くなったところにデブリが見える。Yたさんから、タンボ平へトラバースする地点を教えてもらう。板を流さないよう、慎重にシールを剥がす。脱いだ板は雪面に刺す。平置きする場合は滑走面を上にする。板を履く際はリーシュコードを先に付ける。基本だと思うが、Dさんが雪面にポンと板を置いていたのが気になったよ。12:38 ヘルメット、アウタージャケットを追加して滑走開始。164cmの板は21-22シーズンには使っていなかったうえに、スキー自体が久しぶりで、滑走勘が取り戻せていない。そういう状況で急斜面、かつ雪質も読み切れていない。テレマークターンをするのが怖かった。一番楽しい大斜面で、テレマークターンができなかったことは、自尊心を傷つけることになった。まあ安全第一ということにしておく。雪は日差しに照らされてかなり柔らかい。結構スピードが出るので、斜面を大きく使ってゆっくりアルペンターンをしていった。雄山東尾根の登攀資料として写真を撮っておく。Canon PowerShot G5XはEVF撮影しているが、水準器が全然見えない。構図も考えられない。適当にシャッターを押している。その他いろいろあって、RICOH GRIIよりも使いにくさを感じている(望遠と手振れ補正はありがたいが)。資料写真。デブリ地帯は右岸の崩落上部を通過しようとしたが、雪が硬いうえに溝がある。山ちゃんが谷中央から左岸のデブリの中を突っ切った。そちらの方が通過しやすかった。標高を下げるとアウタージャケットが暑い。熱気で眼鏡が曇る。右岸のトラバース地点に向かい滑り落ちていく。予定していたトラバース地点にはシュプールが残っていた。なるべく高度を落とさないように残シュプールを使ってザラメ斜面を横切って滑る。13:18 タンボ平に出た。風が吹く。眼下の台地上斜面にスキーヤーが点在し、黒部平に向けて滑走しているのが見える。東一ノ越から滑ってきた人々だ。上空にはロープウェイが音を立てずに往復している。ここで転ぶのは恥ずかしい。本日御前谷からタンボ平に出たのは我々が最初で、まっさらな雪の斜面が眼下に広がる。気持ちがわくわくする。Yたさんを先頭に、仲間たちのシュプールが思い思いに刻まれていく。かなりスキー勘を取り戻したので、やまやろうはテレマークターンを気持ちよく決めていく。程よい雪質と斜度にウハウハ。大満足。13:38 終了!板を脱いで黒部平まで少し登り返す。13:58 黒部平に着く。次発までに時間があるので、缶ビール(500円)で乾杯。行動食のハンバーガーと共に楽しむ。14:40 ロープウェイ発。今しがた自分たちが刻んだシュプールを窓越しに見下ろす。そういう状況はなかなか経験できないので感慨深い。15:00 トロリーバス発。15:08 室堂ターミナルに到着。美女平行き高原バスの乗客は長蛇の列。なんとターミナル屋上3階の外まで列が続いた。こんなの初めて。飲み食いなしで牛歩の列に並ぶ。16:11 高原バス発。下界は雲海。16:56 美女平着。ケーブルカーは1時間待ちとのアナウンス。屋内は人だらけ、マスクが嫌なので屋外で待つ。ちょっと寒い。アレでも採るか、と思ったが思っただけ。売店や自販機が一切なく、出店のカップコーヒーが飛ぶように売れていく。アルペンルートのボトルネックであるケーブルカーの輸送能力不足は、何とか対策して欲しい。17:57 ケーブルカー発。18:16 砂防博物館裏手の駐車場着。18:24 魚津に向けて出発。19:22 会館に到着。今回の山行の核心部は、乗り物の待ち時間であったw