テーマ:山登りは楽しい(12224)
カテゴリ:過去の山行記録
山行計画では宇奈月のとちの湯からつばき尾根(尾沼谷とノボセ谷の間の尾根)を登り、越中駒ヶ岳を経て笠谷と滝倉谷の間の尾根を下降して片貝川に抜けるというもの(3泊4日)。
メンバーは、4名(N島さん、Dさん、松っつあん、やまやろうがCL)。 当時のメモが残っていたので15年ぶりに書き起こしてみよう。写真はリバーサルフィルムをコンデジマクロ撮影でデジタル化したものなので、レンズの映り込みがあるのはご容赦。そして悪天候のため初日以外はほとんど撮影ができなかったため、枚数が少ない。 一日目 天候:雨のち雪 5:30 会館起床。N島カーで宇奈月ダムに向かう。 7:09 250m 宇奈月ダムのトンネル路肩に駐車し、雨の降る中出発する。歩みは順調。 7:32 250m とちの湯。雪が降り始め路面が白くなる。道沿いに高度を上げる。 8:25 355m 尾沼谷を徒渉する。上流を偵察するもうまく渡れそうにない。堰堤上部の水流の弱いところからジャブジャブ歩く。松っつあんが右足を濡らした。 登山口のテープを発見したのでそれに従う。ジグを切る雪の登山道。 大雪による撤退を考え、周辺地形を記憶すべきであった。またペナントも付けておくべきであった。積雪は道が白く埋まる程度。 9:25 620m 休憩。ワカンを着ける。細かい雪がぱらぱらと降り続ける。立ち止まると、汗だくの身体が冷える。9時過ぎに雪崩の音が一発。 10:38 800m ペナント、登山道は不明となり、ヤブ斜面を突破する。弱点を詰めれば、何とか上がっていけるのは雪のお陰である。再びペナントを発見。そしてトレースも見つける。 11:50 995m 休憩。雪はサラサラと止めどなく降る。 13:25 1180m 天候は悪化。雪風あり視界も充分でない。雷鳴も轟く。 N島さんの提案で、早めにテントを設営する。尾根上の登山道脇の平地を踏み固める。Dさんはテント設営時に個人マットを飛ばしてしまった。 14:00 テントに入る。体はすっかり濡れてしまった。雨と汗によるものだ。ガタガタと震えてくる。 天気図を取ったが、ラジオが聞き取りにくくて作成不能であった。外は音を立てて風が吹き抜ける。どんどんと悲痛な気持ちになってくる。 そんな中少しでも明るい材料が、松っつあんの食事であった。豚肉炒めから始まり、キムチを水分が飛ぶまで炒めそこに水と野菜を入れたブタキムチ鍋となった。 言わずもがな旨い物である。下界より美味しい食事となった。残った汁にご飯を入れて雑炊となる。最高であった。 ラジオの天気予報では、北陸地方の降雪予測は1メートル。一日でOD缶を2個ちょっと使う。6個しかないので、前進するには不足している。 20:25 就寝。雪と風が時折激しくテントを叩く。シェラフ内が結露でベタベタとなり、安眠できない。 23:20 テントが雪で圧迫されてきたので、周囲を除雪する。その際、レッドバットがピッケルからすっぽ抜け、暗闇の斜面に吸い込まれていった。
あっと言ってももう遅い。ライトを向けても吹雪しか見えなかった。レッドバットは使用頻度が低く、またピッケルともうまく合わなかったので、無くしても惜しくはない。 二日目 天候:雪 5:45 起床。シュラフが濡れ、防寒着が不足した(松っつあん、やまやろう)ため撤退を決める。 OD缶はすでに2個を空にして3個目に手を付けていた。燃料が少ないので、駒ヶ岳を突破するのは厳しい状況である。朝食は棒ラーメンと焼きモチ。 8:05 1165m 出発。昨日のトレースは消え去り、ヒザラッセルとなる。細かいアップダウンがじわじわと身体に堪える。 8:47 1135m 幕営地を通過。トレースが続いており、誰かが下山している模様。じきに先行パーティに追いつく。 N山岳会のO氏(会長)とN氏(現役代表)であった。ここからは、6人交替でラッセルとなる。 9:10 1080m 10:50 975m ルート検討。尾根中央の緩い斜面に入る。ペナントあり正解。雪が降りしきり、下りでも空身の腰ラッセルとなる。 11:20 885m ルート検討2回目。右手は平ら、尾根は左方に明らかだが、急斜面である。地形図と高度計を照らし合わせて真ん中の尾根を選ぶ。ここにもペナントを発見。 あとは登山口に合流したかったのであるが、ペナントがない。道はヤブで隠されてしまっている。 焦りからか現在位置を差すことができない。周りの意見に流されるようになってきた。 北西へ伸びる尾根はまたしても急、一度登り返し、右方へトラバース、谷の中を下降するも雪崩の危険性が高く断念、右手に高い尾根が見える。 O氏の指摘でそこまで登り返すことになった。思っていたよりも登り返すことになり、このルートで正しいのか悩んだが、他に道はない。 N氏の力強いラッセルと自分も手伝ったことで、見たことのある平坦部へ出る。ここは初日に通ったところではないのか。尾根も明らかだ。正しかったようだ。 しかしペナントはひとつもなく、広い尾根を右に行くか左に行くかでも異なってくる。 自分はそろそろワカンを着けた600mに出るのではないかと踏み、右方へ巻くように進んだ。しかしそういう地形はなく、ヤブから斜面を下ることになった。 ルンゼに導かれてしまい、これもルートとしてはダメだ。少し登り返し、左手の尾根(自分が右手に巻かなければ下降していたであろう尾根)に取り付く。 下降は尾根通しが鉄則なのに、それを破ったことで時間が取られてしまった。周囲は暗い。川の音が聞こえるところまで標高は下がっているのだ。 ヘッデンをつけて更に下る。ヤブはあるがきつくはない。もうここを無理矢理に下るしかなくなった。 17:30 505m ついに時間切れ。岩屋を見つけたのでビバークする。雪を整地して何とかテント2張りを設営する。 18:25 テントに全員が入る。N山岳会は燃料の残りがボンベの半分しかないということで、当会から分け与える。こちらは新品3個。朝までに2個と半分を使った。ギリギリだったわけだ。 ビバーク態勢なので靴は脱がない。足は寒くなかったのでかえって脱がない方がよかった。酒を飲み、紅白歌合戦を聴く。夕食は雑炊。 23:40 就寝。 三日目 天候:雪 全身ずくずくに濡れて辛かった。夜中(1:40)に一度火を点けて暖を取る。斜面の上から木の枝が落ちてきて、テントを貫通する。 4:00 起床。残ったOD缶はひとつ、ギリギリだ。朝食は棒ラーメン。 5:45 準備開始。 6:30 485m 出発。すぐに懸垂下降ができるようにハーネスを付けて出発。尾根上から外れルンゼを下る。白い斜面が川原まで続き、ロープは出さずに済んだ。 7:20 315m 尾沼谷の川原。登山口のペナントを見つける。ほぼ狙い通りの地点に下り立っていたのだ。後発のN山岳会に川原で追いつかれる。 徒渉時に水に浸かったのは4回。左岸の林道はヒザラッセル。 8:15 220m とちの湯の上のあずまやで休憩。 9:17 195m 宇奈月トンネルに到着、ワカンを外す。 9:45 195m 車デポ地に到着する。連絡先を交換し、N山岳会とはここで別れる。 10:00 車出発。黒部警察署に立ち寄り、ヤマタンを返却し山行を簡単に報告する。 11:00 雪の中、会館に到着。Dさんと松っつあんで下山予定地の片貝川にデポしてある車を回収しに行く。N島さんとやまやろうは共同装備の片付け。 12:15 Dさんと松っつあんが、会館に戻る。 12:40 会計精算(@3300円)、反省会を実施して解散。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/10/10 11:36:05 AM
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