会社を辞めて１０年が過ぎた。

社会との接点があったのは
バイトをしていた１ヵ月と
子どもが生まれてからのここ数年だけだ。

すぐに不適応を起こす私にとって
自分の世界に浸っていられたこの１０年は
ある意味幸せに満ちていた。


・・最近ふと思う。
ずっと時間が止まったままだったのではないかと


季節がどれだけ巡っても
同じようなことを繰り返し
良い刺激も悪い刺激も少ない「平凡」という日常の中

家という守られた「胎内」で
生まれ出た意味を反芻し
過去を見つめ

辛かった記憶と折り合いをつける術を模索し
現在とうまく付き合う距離を測りながら
閉ざされた世界で生きてきた


いつの日かもう一度外の世界へ出るのだろうか

止まった時間が動き出す日が来るのだろうか


”このままでいいの？”私の心がそうつぶやく