老化の現実
祖父母は東京在住で私は会社が東京なので時々祖父母のところへ顔を出すことがあります。先日もちょっとした用事で祖父母を訪れました。二人とももう80歳に近い年齢です。で、祖母が頼みたいことがあるというので聞くと、最近買ったボールペンが書けないというのです。もし私に見てもらってダメだったら返品するそうで。ボールペンを確かめてみたらすぐ分かりました。新品のペン先によくついている、汚れ防止のゴムみたいな樹脂がついたままだったのです。歳を取るというのは、こういうことなのかな、と考えさせられました。老後に田舎暮らしをしたいといって、定年退職者が地方に家を建てることが流行っていますが、定年退職時に60歳であっても、20年後には80歳です。60歳のときに80歳のことを考えるのは、20歳で40歳のことを考えるのと同じくらい難しいのかもしれません。実際、車が必要な田舎に終(つい)の住みかのつもりで家を建てたものの、病に倒れ車を運転できなくなり日常生活に困る老夫婦もいるようです。終の住みかといっても、それは健康を前提としてのこと。健康を害した場合どうするか、という「保険」も考えておかなければなりません。そう考えると、よほど財産を持っていない限りは、「賃貸」または「格安中古」なのかなと思います。