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テーマ:本日のお勧め(385980)
カテゴリ:俳句・川柳
実家で普段出来ない片付けや掃除、
色々家事を手伝いたいと思うが、 何もしなくてよいといわれ、暇~。 余計なことをされて、手順が狂ったり、 物を動かして、在り処が分からなくなると、 困ると言うのである。 何でもしてあげようと言ってるのに、 とブ~たれてると、それではちょっと、 と、母に二階に連れて行かれる。 二階は三部屋あるが三部屋とも、 衣類やその他様々なもので、 さながらジャングルと化している。 その中でも比較的広い部屋の桐の箪笥から、 母は畳紙に包まれた着物を次々と取り出した。 最近、ちょっと着物に興味があるので、 すでに何枚か祖母や曾祖母の着物などを 送ってもらっていたのだが、今回のは、 なくなった叔母の着物である。 祖母や曾祖母のも素敵なものがあったが、 すべて着用したものであるが、 この叔母のは、まったく着ていない しつけをしたものもある新品ばかり。 そして、どれもこれもいいものである。 喪服なんか、着物、帯、襦袢、それぞれ、 袷、単衣、路、三種類揃ってのお仕立て。 訪問着も、あわせて作ったらしき帯も、 色無地も結城も、畳紙から出して、 広げた形跡もないほど綺麗に収まってる。 湿気や虫よけのためにも、時々こうして、 風を通してやることが必要なのだが、 本当は着てあげなくては生きないもの。 とりあえず、勿体無い、と言われながらも、 襦袢は持ち帰り、使うことにする。 他のものは、丁寧に畳紙に包み収め、 また元通りに桐箪笥にしまうことになった。 今では着物や帯を仕立てることなど、 ほとんどなくなってしまったが、 反物を選んで、着物や帯を仕立てるって、 なんて素敵で豪勢なことかしら。 沢山の和服を仕立てても袖も通さずに、 なくなった叔母を気の毒に思っていたが、 反物選びから出来上がるのを待ち、 受け取って、畳紙を開く、というこの行程。 この一連の時間の流れで、実は十分 楽しめたのではないか、と最近は思う。 なくなった人の思いや夢を、この畳紙は 大切につつみ、母や私に伝えている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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