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2008年08月28日
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カテゴリ:芸術
八月納涼歌舞伎第三部、千秋楽に行って来た。
今回は、野田秀樹の新作「愛陀姫」が目的。
あらすじは次のとおり

野田版 愛陀姫(あいだひめ)
 美濃の領主である斎藤道三の息女濃姫(勘三郎)は、
密かに思いを寄せる木村駄目助左衛門(橋之助)を、
父の道三(彌十郎)に認めさせようと思っています。
そこで濃姫は、家臣の多々木斬蔵(亀蔵)が
城下から連れてきた祈祷師の細毛(福助)と
荏原(扇雀)を使い、駄目助左衛門に隣国織田家との
合戦の先陣役に任じるお告げが出たように見せかけます。
そして駄目助左衛門は見事に功を立てますが、
実は濃姫の下女の愛陀(七之助)に思いを寄せており、
先陣の功として愛陀を賜ろうと思っているのでした。
 やがて美濃に織田軍の捕虜が連れられてきますが、
愛陀が父と呼んだ人こそ、織田信秀(三津五郎)。
実は愛陀は織田家の息女であったのです。
一方、濃姫は愛陀が恋敵と知り、
また愛陀は祖国の尾張のために働こうとし…。
オペラの名作「アイーダ」を野田秀樹が歌舞伎に
翻案した話題の舞台をどうぞご期待下さい。
歌舞伎美人より抜粋

エジプトとエチオピアを尾張と美濃に、
ナイル川を長良川に、
アイーダは愛陀姫に、
アムネリスは濃姫に、
ラメダスは木村駄目助左衛門に、
ちょいと無理無理なぶぶんもあるが、
さすが野田さんうまくとりいれてる。

そして、原作でも大切な役割の
神官や巫女の代わりの祈祷師が出色。

女祈祷師「細毛」役は福助さん、
男祈祷師「荏原」役は扇雀さん。
これも野田さん時代を良く捉えてる。

二人の三枚目役がうまい上に、
しがない場末の占い師だったのが、
段々と力をつけていくのが、
人の世と心の裏側を見るようで、
面白いような空恐ろしいような・・・

これまでの二作、「研辰の討たれ」や
「野田版鼠小僧」とは違い、
原作同様、かなりシリアス。

エンディングは生き埋めとなる
ラメダスの元にアイーダが忍び込み、
恋人二人は死んでいく悲劇。

題名は「愛陀姫」だが、今回は
アイーダを愛し、決して自分の方に
なびかないラメダスを終始愛し続ける
濃姫の重い情念が、心に残る。

人を愛することの純粋さは、同時に
愚かさを併せ持つのでもある。
ふりむかぬ人を思う切なさは、
人の命を左右するほどに大きな力を
持つこともあるのである。







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最終更新日  2008年08月28日 23時11分52秒
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