2443309 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Pastime Paradise

Pastime Paradise

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2010.02.10
XML
カテゴリ:書籍・雑誌
 2月1日~10日の間に読んだ本は、文庫が4冊に新書(ノベルス)1冊と、2日に1冊のややスローペース。本を読もうとホットカーペットにごろりんと横になるや、まるで条件反射のようにすぐさま眠りに落ちてしまう今日この頃。
 今回は久しぶりに中国ものを立て続けに読んだ。
 今後10年で世界最大の経済大国になるであろうといわれている中国だが、元々、18世紀に英国で産業革命が起こるまでは中国が世界最大の経済大国であり、古くから文明が栄えた文化大国でもあった。そんな古き良き中国文化の一端を堪能すべく手に取った本を、いくつか御紹介したい。

 「新装版 新西遊記」(上・下) 陳舜臣 講談社文庫

 「西遊記」といえば、実際に本を読んだことはなくても誰もが内容を知っている、中国小説の代表作といっても過言ではないだろう。この本はそんな時代を超えて愛され続けてきた中国四大奇書の一つである「西遊記」に、三蔵法師のモデル・玄奘の足取りを辿った陳さん自身の西域紀行をプラスした半小説半エッセイのような読み物で、非常に面白くて上・下巻ともサクサク読めた。
 以前から道教に興味があり、とりわけ神仙思想に強い関心を持っているので、孫悟空が自ら“斉天大聖”と名乗り天上界で大暴れする件(くだり)が、個人的には一番のお気に入り。悟空討伐を玉帝(天上界の最高神)から命じられたなた太子顕聖二郎真君などは、道教の神々の由来を解き明かした奇想天外小説「封神演義」でもすっかりお馴染の神様。嗚呼、私も仙人になりた~い。 

 「長安異神伝」 井上祐美子 徳間書店(トクマ・ノベルズ)

 「封神演義」では仙界で唯一変化の術を自在に使い、“清源妙道真君”という仙号を持ちつつもなぜか道士のままで修行中の美男ヒーロー・[晉戈]として、また「西遊記」では玉帝の外甥(玉帝の妹が下界を慕って天界から下り、楊氏に嫁して産んだとされる)で、神通力を持ち、悟空との変化合戦でも悟空と互角に渡り合った実力の持ち主として描かれている顕聖二郎真君。
 そんな完全無欠のモテモテ美男神・二郎真君が、花の都・長安で起こる皇帝を狙った何者かによる呪詛事件を唐王朝の重臣・魏徴や、前漢は武帝時代の政治家にして今では“お笑いの神”として祀られている東方朔の協力を得て解決するファンタジー小説がこの「長安異神伝」であーる。
 東方朔といえば仙界の女帝(!?)・西王母の桃を盗んだことで知られ、また魏徴も「西遊記」に登場し、天命に背いた竜王の首を刎ねたりしているので、この二人を二郎真君に絡ませるアイデアは秀逸。但し内容的には若干同人っぽい気がしないでもなかった…(^^ゞ

 「周公旦」 酒見賢一 文春文庫

 そもそも「封神演義」とは、紀元前11世紀の中国で起こった殷王朝から周王朝への政権交代(殷周革命、または易姓革命)を舞台に、人間界の戦争に乗じて仙界でも大殺戮をやって仙界を粛清し、出来の悪い仙人や卓越し過ぎた能力を持つ人間は新たに神界を作って神にしてしまえ!という奇想天外なハチャメチャ物語なのだが、その周王朝建国の功労者にして、かの孔子が夢にまで見たという至高の聖人こそ、周王朝初代王・武王の弟であり優れた政治家でもあった周公旦こと姫旦である。 
 この作品はそんな周公旦に、著者独特の大胆な解釈で迫ったファンタジックな歴史小説とでもいえばいいのか、今までの硬~い中国歴史小説とは一味違った読みやすさがあり、なかなか面白かった。(でも個人的には「墨攻」の方が楽しめたけど。)

 全くどーでもいいが、二郎真君は“楊二郎”(せっかくの美男神なのに、なんて残念な名前…。まあ、楊家の次男坊みたいな意味だけど)と呼ばれ、西王母も姓は楊で名は回だったりする。
 私、楊ぱちの楊は、「水滸伝」に登場する不運続きの好漢・楊志(青面獣)から拝借したものだが、PC上だけとはいえ同姓であることはちょっと嬉しい。ま、単によくある姓ってことなんだけどほえー
そういえば昔、マダム・ヤン(楊夫人)なんてラーメンラーメンもあったっけ…。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.02.11 07:33:54
コメント(0) | コメントを書く
[書籍・雑誌] カテゴリの最新記事


PR

Free Space

Recent Posts

Category

Keyword Search

▼キーワード検索

Headline News


© Rakuten Group, Inc.
X