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2010.03.01
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カテゴリ:書籍・雑誌
 今年1月にハイチで死者20万人を超す大地震があったばかりだというのに、今度は南米チリでまたしてもM8.8という大きな地震が起こった。被災された方々の御冥福を祈りながらも、明日は我が身かも!?と思わずにはいられない。地震大国ニッポン、いつ大地震に襲われてもおかしくないのであーる。
 とはいえ運良く地震被害を免れたとしても、遅かれ早かれ人間いつかは必ず死ぬのだ。1時間後に交通事故であっさりあの世に行っちゃうかもしれないし、今現在既に命に係わるような病魔に侵されているかもしれない。何の前触れもなく突然やって来るか、じわりじわりとにじり寄って来るか…。
 いつ何時死んでもいいように、常日頃から一応の心構えはしておくべきだろう。“あ、そういえば今日のパンツ、ゴムがの、のび…のび …”なんて思いながら死ななくてもいいように(^^ゞ

 「山中静夫氏の尊厳死」 南木佳士 文春文庫

 生まれ故郷に自ら墓を作り、苦しまずに死ぬことを願う末期癌患者。家族との妥協を拒み、患者本人との契約により初めて尊厳死に臨もうとする医者。その葛藤を克明に描いた物語。
 身近な人を癌で亡くした経験がある方なら、この本は胸に迫るものがあると思う。私も読みながら一昨年末に口腔癌で他界した父の最期をありありと思い出し、胸が詰まった。
 たとえ愛する家族であっても人間は必ず死ぬ。いくら医者が最善を尽くしても、死は避けられない。中にはそれでも医者に食って掛かる家族もいるらしい。
 父には治療に向き合うために告知したが、再発して手がつけられなくなった際はもう告げなかった。互いに何も言わなかったが、本人には分かっていただろう。担当してくれた若い医師とは何度も話し合って治療を進めたので、医師に対しては十二分に感謝している。ただ、父に対しては未だに後悔してやまない。本当にあの方法でよかったのだろうか?私達は苦痛を取り除く方を選択したが、ひょっとしたら父は愛する妻のいるこの世界で一日でも長く生きていたかったかもしれない…。
 この物語は医師が主人公で、医師の側から末期癌患者を見、考える話なので、とても興味深かった。父を最期まで診てくれた若先生は若干不慣れそうだったが、その分繊細で真面目なそうな方だった。この先何人もの患者の最期を看取ることになるだろうが、いつまでもその直向さを持ち続け、いいお医者さんになって下さい。
 あ、ちなみに作者の南木佳士さんもやはり信州のお医者さんで、この物語の主人公が思うところは、作者自身の気持ちなのかもしれない。

book5.gif 2月に読んだ本 line2.gif

 歴史・時代小説 (中…中国モノ)
 ・華栄の丘 (宮城谷昌光) 文春文庫 2003 中
 ・五郎治殿御始末 (浅田次郎) 新潮文庫 2009 
 ・周公旦 (酒見賢一) 文春文庫 2003 中
 ・新西遊記 【新装版】 <上・下> (陳舜臣) 講談社文庫 2008 中
 ・長安異神伝 (井上祐美子) 徳間書店 1991 中
 ・武将列伝 戦国爛熟篇 (海音寺潮五郎) 文春文庫 2008 
 ・浪人列伝 (柴田錬三郎) 講談社文庫 1999 

 歴史・時代モノ以外の小説
 ・一応の推定 (広川 純) 文春文庫 2009 
 ・ウニバーサル・スタジオ (北野勇作) ハヤカワ文庫 2007 
 ・山中静夫氏の尊厳死 (南木佳士) 文春文庫 2004 

 随筆、エッセイ他
 ・戦国軍師の合戦術 (小和田哲男) 新潮文庫 2007 

 海外モノ
 ・アルケミスト 夢を旅した少年【O ALQUIMISTA】 (パウロ・コエーリョ【Paulo Coelho】, 山川紘矢、亜希子 訳) 角川文庫 1997   
 ・家の鍵―明日、生まれ変わる【NATI DUE VOLTE】 (ジュゼッペ・ポンティッジャ【Giuseppe Pontiggia】, 今村明美 訳) 集英社文庫 2006  
 ・光あるうち光の中を歩め (トルストイ, 原 久一郎 訳) 新潮文庫 1952





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Last updated  2010.03.01 09:23:22
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