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2010.07.20
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カテゴリ:書籍・雑誌
 あぢ~。いよいよ本格的な夏が到来した。
 しょわしょわとまるで断末魔の悲鳴のような蝉の壮絶な最期の鳴き声が朝っぱらから頭にこだまして、物事を考える気力も湧かない今日この頃。
 先日から、08年に亡くなったフランスの小説家・ロブ=グリエ(Alain Robbe-Grillet)の「迷路のなかで(Dans le Labyrinthe)」という小説を読んでいるが、この小説がまた、幾何学的な描写が延々と続く非常に読み疲れる小説で、今の時期にこの作品を選んだことをちょいと後悔中…。

 さて、7月11日~20日までに読んだのは、文庫本が6冊。
 太平洋戦争で特攻隊員として若い命を大空に散らした青年の真実の姿を描いた、阿川弘之さんの「雲の墓標」、そして同戦争で紙一重で死を免れた男たちのその後を描いた城山三郎さんの「忘れ得ぬ翼」には、胸が痛んだ。
 自らの命と引き換えに日本を守って下さった方々の想いを決して無駄にせぬよう、よりよい明日を目指して日々懸命に生きていこう、と蝉の鳴き声を聞きながら心に誓った40の夏であります。

 「彰義隊」 吉村 昭 新潮文庫

 “いろいろ考えて見ても、原田(新選組・原田左之助)が突然引返したのは、妻子の愛着に心を曳かれたと見るより外に理由がない。それで江戸へ戻っては見たがもう隅から隅まで官軍で一ぱい。身の置きどころもなくなっている。そうかといって今更、会津へわれわれの後を追うことも出来ないから、上野の山へ飛込んで彰義隊へ参加した。
 山へ入るか入らないかにすぐあの戦争、だいぶ働いたらしいが、遂々鉄砲でひどくやられた。そこでも、ここを逃れ出て一旦本所の旗本神保伯耆守の屋敷まで落ちたが、ここで一日中苦しんで、戦争の翌々十七日遂に死んだということを、後で同志から聞いて知った”
 (杉村義衛翁(元新選組・永倉新八)遺談。 子母澤寛著「新選組物語」より)

 一説には、左之助は生き延びて大陸に渡り、馬賊の頭目になったとも言われるが(左之なら十分ありえる話だと私は勝手に思っている)、おそらく新八さんの言うとおり上野戦争で死んでしまったのだろう。
 左之が最後に命を賭けた彰義隊とは一体どんなものだったのだろう?そう思って本書を読んでみた。
 が!これは彰義隊の話というよりは、彰義隊に擁立され、後に奥羽越列藩同盟の盟主にまで擁立された輪王寺宮(北白川宮)能久親王の数奇な人生を丹念に辿った物語だった。まぁ、それはそれで十分興味深く読んだけど…(^^ゞ

 関ヶ原の戦いでは西軍贔屓のくせに、鳥羽伏見の戦いでは完全に旧幕府軍贔屓という…何となく矛盾しているような、それとも単に判官贔屓なだけなのか?
 旧幕府側の面々のその後を知っただけでも、大変読んだ価値のある一冊だった。





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Last updated  2010.07.20 09:41:01
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