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2010.07.23
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カテゴリ:書籍・雑誌
 作家の村崎百郎さんが男に包丁で刺されて亡くなった。犯人は村崎さんの書いた実践本に騙され、恨みを持っていたという。
 以前、村崎さんの著書「鬼畜のススメ 世の中を下品のどん底に叩き堕とせ!! みんなで楽しいゴミ漁り」を読んだことがあるが、まさにタイトルどおりで一般人が読むにはちょいと、いや結構キツかった。あんなの実践したの?
 もし本当にハウツー本のとおりに何事も上手くいくのであれば、とっくにこの世からはデブが消滅し、会社員の皆さんは大出世、パチンコや競馬、宝くじ等大当たり続出で国民全てが大金を手にして笑いが止まらないだろうに。
 上手くいかなかったのは社会のせいだ、本のせいだ、と責任転嫁して逆恨みする犯罪者が近年増えつつあるが、歯を食いしばって自力で頑張ろうよ!

 今野敏さんの「武打星」を読んだ。武打星とはアクション・スターのこと。
 世界中を熱狂させたブルース・リー(李小龍)に憧れた青年・長岡誠は、大学を卒業した1979年の夏、徒手空拳で香港に渡った。少年時代から続けてきた空手を活かし、アジアの新たな武打星となるために-。猥雑で魅力的なこの都市で、誠は時に喜び、時に苦悩しながら、栄光への階段を一歩ずつのぼってゆく…というストーリー。

 この当時、70年代末~80年代初頭の香港映画界といえば、マイケル・ホイ(許冠文)が監督・主演し、日本でも大ヒットした一連の風刺コメディ「Mr.Boo!」シリーズ(本来はシリーズでも何でもない)が次々と興行記録を塗り替えていた。
 一方で「笑拳(笑拳怪招)」や「酔拳(醉拳)」等、ジャッキー・チェン(成龍)主演のコミカルなクンフー映画や、ジャッキーと同じ中国戯劇学院出身のサモ・ハン・キンポー(洪金寶)の「燃えよデブゴン」シリーズ(これも本来シリーズではない)が人気を博し、更にユン・ピョウ(元彪)など若手の武打星も登場。李小龍亡き後の衰退期から抜け出し、アクション映画は再び活気に満ちていた。
 そして、これらは全てゴールデン・ハーベスト(嘉禾電影有限公司)の作品で、それまで香港最大の映画会社だったショウ・ブラザース(邵氏兄弟有限公司)は衰退への道を歩き始める…という、香港映画界は激動の時代を迎えていた。

 そんな活気溢れる80年代の香港映画界を舞台にしたこの作品からは、当時の雰囲気がほんわか伝わってきて、ちょっぴり懐かしい気がした。誠の映画出演があまりにもスムーズに決まってしまうのはご愛嬌…(^^ゞ

 誠の話はあくまでも小説なのだが、実際に香港映画熱が高じて93年の夏に単身香港に渡り、苦しいエキストラ時代を経てスタントマンとしての道を切り開いた日本人がいる。
 その人の名は谷垣健治さん。ドニー・イェン(甄子丹)の片腕としても知られる、“香港動作特技演員公會”(スタントマン協会)に所属する唯一の日本人で、今もアクション監督兼スタントコーディネーターとして活躍中。
 そんな谷垣さんの著書「燃えよ!! スタントマン」はまさに「武打星」実録版!
香港アクション映画界の様々な裏側を知ることが出来るだけでなく、広東語ルビや会話等が豊富なので広東語の勉強にもなり非常に有難い(^^)
 ちなみにこの本が出版されたのは98年。80年代末~90年代といえば、“亞州影帝”ことチョウ・ユンファ(周潤發)の活躍…いや、何といってもチャウ・シンチー(周星馳)の大ブレイクだわなスマイル

 「若い頃の苦労は買ってでもしろ!」という言葉があるが、負け犬おばはんになった今、本当にそのとおりだったとしみじみ思う。
 村崎さんの実践本を読む前にこれらの作品を読んでいれば、犯人の人生もまた違ったものになっていたかもしれない…。村崎さんの御冥福をお祈り致します。

武打星 マンガ.jpg 「武打星」 間部正志 谷垣さんが原案協力している漫画。読んだことはないが、おそらく今野さんの小説とは無関係なのだろう、多分。ちなみに、1巻のキャッチコピーはというと
“アクション俳優を志している人は、これを読んであきらめてください(笑) 谷垣健治談”
うーん、やっぱりどの世界も厳しいですな(^^ゞ Boys, be ambitious ! 





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Last updated  2010.07.24 09:37:30
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