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2010.09.24
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カテゴリ:書籍・雑誌
 “士大夫、三日書を読まずんば、義理胸中に交わらず。便(すなわ)ち面目憎むべく、語言味(あじわい)なきを覚ゆ”とは北宋の文人・黄山谷の言葉で、三日聖賢の書を読まないと、人間が俗になって面構えまで悪くなり、話をしても味がないという意味だが、このところ何やかやとバタバタしてまともに本を読んでいないせいか、己の面構えにしろ当へっぽこブログにしろ、今ひとつ精彩を欠いているような…。
まぁ、この駄ブログは精彩も何も、元々冴えないブログだけど(^^ゞ
 そんな中で、久々に良本に巡り合った。05年にPHP研究所から出版された安岡正篤さんの「酔古堂剣掃」という文庫本であーる。

 「酔古堂剣掃」の“酔古堂”とは中国・明末の教養人、陸紹[王行]の雅号で、“剣掃(けんすい)”とは、彼が愛読した『史記』や『漢書』をはじめとする五十種以上に及ぶ古典から選び出した名言・嘉言を、剣(心)で世間の邪気を掃(は)らい味わう、という意味なのだそうな。
 似たような書物に、同じ明末に洪自誠によって書かれた「菜根譚」があるが、安岡先生曰く、“内容は「酔古堂剣掃」の方が比較にならんほど豊富”で、徳川時代や明治時代の文人・墨客・読書人は「菜根譚」よりも「酔古堂剣掃」を愛読していたのだとか。だが、残念ながら昭和になってからはほとんど見かけなくなり、すっかり埋もれてしまったものらしい。

 全12巻のうち紹介されている名言は僅かだが、そのどれもが心に響き、心身を養ってくれる。
「好煩悩と百忍百耐」「足るを知る虚無観」「政治四態、人間六色」「『十如是』の深遠なる意義」など、人格よりも経済力を、過程よりも結果を重視しがちな現代人に、自然と共生して生きる喜びを味わえと訴える、警鐘の書ともいえる内容だ。

 本書の第二章「風雅の至極」で紹介されている文章をひとつ御紹介。

 影を寒?(かんそう)に抱いて霜夜寐ねず。松竹の下を徘徊すれば、四山・月白く、霜は氷柯に堕つ。相与(あいとも)に李白の静夜の思(し)を詠ずれば、便(すなわ)ち冷然たる寒風を覚ゆ。寝(しん)に就き復(ま)た蒲団に坐し、松端より月を看(み)、茗(めい)を煮て談を佐(たす)け、此の夜の楽しみを竟(お)う。

 今朝は非常に寒かったがとても月の綺麗な夜だったので月、新聞配達中にふと李白の「静夜思」を思い出した。「牀前看月光 疑是地上霜 擧頭望山月 低頭思故郷」というヤツである。
 李白の五言絶句を思い出した、というより、本当は03年に40歳の若さで他界した香港の大スター、アニタ・ムイ(梅艶芳)の“床前明月光”という、李白の句に曲を付けた歌を思い出しただけなのだけれど。で、そのついでに「酔古堂剣掃」に載っていたこの文章もチラッと頭をよぎった次第。
  
 今回も貼ってみた 





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Last updated  2010.09.24 13:22:40
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