Pastime Paradise

　81年に放送されるや一部アニメファンから絶大な支持を受けた「戦国魔神ゴーショーグン」の原作・脚本を手掛けた首藤剛志さんが先日亡くなられた。
　アニメ終了後に出版されたノベライズ8冊は全て首藤さんが執筆されており、8作目である91年発行の「戦国魔神ゴーショーグン番外編２　美しき黄昏のパバーヌ」のあとがきでは次回作の構想にチラッと触れていたので、いつの日か続きが読めるかも、またブンちゃん（ブンドル）達に会えるかも…と20年ほど首を長～くして待ち続けていたのだが、ついに叶わぬ夢となってしまった。
　首藤さん逝去のニュースに衝撃を受けた翌日、今度は野沢那智さんの訃報に驚いた。素晴らしい声優さんがまた一人去ってしまい、本当に寂しい限りだ

　8月が7冊で9月が8冊、そして10月に読んだ本はたったの6冊だった。
　週に2回ほどの予定だったパン屋さんでのバイトがほぼ2日に1回となり、読書に割く時間がなかなか作れない。
　そんな中で久々に魯迅の著書を読んだ。魯迅の作品は、かなり昔に「阿Q正伝」を読んで以来だろうか。このところ日本と中国との関係がギクシャクしつつあるので、何となく中国文学を読みたくなって魯迅作品を手に取った次第。
　光文社古典新訳文庫の「酒楼にて／非攻」という今月発行されたばかりの本だが、前半4篇と後半4篇に分かれていて、面白かったのは後半の4篇。英雄聖賢たちの奇談・美談を語り直した「故事新編」から選ばれた4篇はいずれも軽妙、“笑う魯迅文学”という解説はオーバーにしても、確かに「阿Q正伝」のイメージとは全く異なる魯迅の世界を楽しめた。

　１０月に読んだ本　

　歴史・時代小説
　・大名廃絶録　（南條範夫）　文春文庫　2007 新装版
　・月夜の鴉　死なない男・同心野火陣内　（和久田正明）　ハルキ文庫　2010　　　

　歴史・時代モノ以外の小説
　・一生に一度の月　（小松左京）　集英社文庫　2006
　・砂の審廷　小説東京裁判　（松本清張）　ちくま文庫　2008　
　・蝶　（皆川博子）　文春文庫　2008　　

　海外モノ
　・酒楼にて／非攻　（魯迅 , 藤井省三 訳）　光文社古典新訳文庫　2010