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父の三回忌法要を終えた途端、気が緩んだのか風邪を引いてしまった。
咳がひどくて胸も喉も血が出そうなほど痛むのだが、それでもついつい煙草を求めてしまう。当然味は分からないし、吸うと余計喉が痛むので2、3口で消してしまうのだけれど。風邪を引こうが値上りしようが、やっぱ煙草は止められねぇ 11月も文庫小説5冊にペラッペラのペーパーバックが1冊、それに漫画を数冊読んだだけで終わってしまった。とはいえ読書は量より質であり、カッスカスの本を何十冊と読んだところで、一冊の良書から受ける感銘にははるかに及ばないのだ…なんて事実ではあるが、単に読書量が減った言い訳だわな(^^ゞ 津本 陽さんの「春風無刀流」は、生涯を剣と禅の修業に費やして一刀正伝無刀流を開いた山岡鉄舟の物語。鉄舟といえば誠忠無二、剛健廉直な人として知られており、私も今回初めて鉄舟さんの数々の伝説(その一つ一つが人間離れしており、どれも凄すぎる!)を読んでみて、自らを鍛え、己を律するということがどういうことかを教わった。真のサムライとはこういう人を指すのだろう。 吉村 昭さんの遺作である「死顔」は、兄の死を題材に吉村さん自身の死生観を凝縮させ、死の直前まで推敲が重ねられていたという。 奥様である津村節子さんが綴った「遺作について」によると、吉村さんは病気について親戚にさえも知らせぬよう、そして死顔も見せぬように、また延命治療は望まず、葬式は家族葬で…などと言い遺した上で、自分で点滴の管を外し、カテーテルを引き抜いて死を迎えたらしい。 父の三回忌を前にこの本を読み、数々の手術が逆に命をすり減らしたのではないかという申し訳なさや、臨終の父に対する自分の薄情さを悔やんだりして、今更どうしようもないことをねちねちくよくよと考え込んでしまった。 父に癌が見つかった際、医師は本人よりも先に娘である私に病名を告げ、私もそれを当たり前のことのように捉えたが、もし私が父の立場だったらまずは自分に教えてほしい。その上で家族には自分の口から話し、本人同席の上で医師から家族に説明してほしいと思う。 出来ることなら病名は誰にも告げずに(いや、だんなさんと息子達には告げよう)死にたい。見舞は不要、葬式もいらない。私も死顔まで人に見られたくないや(^^ゞ 死顔を見せなかったといえば、市川雷蔵さんもそうだったっけ。まぁ雷蔵さんのように美しい顔でもないけどね… 11月に読んだ本 歴史・時代小説 ・穴屋佐平次難題始末 幽霊の耳たぶに穴 (風野真知雄) 徳間文庫 2009 ・春風無刀流 (津本 陽) 文春文庫 2004 ・天海僧正の予言書 波浪島の刺客 (早坂倫太郎) 集英社文庫 2005 歴史・時代モノ以外の小説 ・死顔 (吉村 昭) 新潮文庫 2009 海外モノ ・いかしたバンドのいる街で【NIGHTMARES & DREAMSCAPES】 (スティーヴン・キング【Stephen King】, 白石 朗 他 訳) 文春文庫 2006 ペーパーバック ・The B-52's Albums: Whammy!, Bouncing Off the Satellites,Mesopotamia, Funplex, The B-52's, Nude on the Moon: The B-52's Anthology, Good Stuff (Books Group) Books LLC 2010 まんが ・男子高校生の日常【1-3】 (山内泰延) SQUARE ENIX 2010 ・ムダヅモ無き改革【1-3】 (大和田秀樹) 竹書房 2008- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.12.01 11:22:52
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