Pastime Paradise

　2010年の読書記録を振り返ってみるに、今年は今までどうしても苦手で避けていた近代史や戦争ものにチャレンジした年だった。
　野坂昭如さんの「火垂るの墓」をはじめ、阿川弘之さんの「雲の墓標」や城山三郎さんの「忘れ得ぬ翼」、そして半藤一利さんの「ノモンハンの夏」など、今迄は戦争に対する恐怖心からで決して手に取ることのなかったこれらの小説を、40歳を過ぎた今年になってようやく落ち着いて読むことが出来るようになった。
　今回つらつら挙げた本の中で印象深かったのは、安岡正篤さんの「酔古堂剣掃」、でもってソルジェニーツィンの「イワン・デニーソヴィチの一日」や火野葦平さんの「糞尿譚」あたりかな、古い本だけど。　

2010年　こんな本を読みました　（ジャンル別・著者五十音順）

　　日本の小説の部

　・赤川次郎　「国境の南」　双葉文庫　2005　
　・阿川弘之　「雲の墓標」　新潮文庫　1958
　・浅田次郎 編 ： 森 鴎外、谷崎潤一郎、芥川龍之介、川端康成、中島 敦、山本周五郎、永井龍男、井上 靖、松本清張、梅崎春生、立原正秋、小泉八雲　「見上げれば 星は天に満ちて　心に残る物語―日本文学秀作選」　文春文庫　2005　
　・阿刀田 高　「ストーリーの迷宮」　文春文庫　2008
　・我孫子武丸　「弥勒の掌」　文春文庫　2008　
　・梶尾真治　「ドグマ・マ＝グロ」　新潮文庫　2003　　　
　・北野勇作　「ウニバーサル・スタジオ」　ハヤカワ文庫　2007
　・　〃 　 「どーなつ」　ハヤカワ文庫　2005　
　・小林信彦　「唐獅子株式会社」　新潮文庫　1981　　
　・小松左京　「一生に一度の月」　集英社文庫　2006
　・今野 敏　「武打星」　新潮文庫　2009　
　・西條奈加　「金春屋ゴメス」　新潮文庫　2008
　・重松 清　「さつき断景」　祥伝社文庫　2004　
　・司馬遼太郎　「花妖譚」　文春文庫　2009　
　・志水辰夫　「うしろ姿」　文春文庫　2008
　・城山三郎　「忘れ得ぬ翼」　角川文庫　2001　
　・曽野綾子　「非常識家族」　徳間文庫　2010
　・　〃 　 「陸影を見ず」　文春文庫　2004　
　・鳥飼否宇　「中空」　角川文庫　2004
　・永瀬隼介　「閃光」　角川文庫　2006
　・野坂昭如　「アメリカひじき・火垂るの墓」　新潮文庫　1972
　・帚木蓬生　「賞の柩」　新潮文庫　1996
　・半藤一利　「ノモンハンの夏」　文春文庫　2001
　・東野圭吾　「手紙」　文春文庫　2006
　・火野葦平　「糞尿譚・河童曼陀羅（抄）」　講談社文芸文庫　2007　　　
　・広川 純　「一応の推定」　文春文庫　2009
　・藤田宜永　「壁画修復師」　講談社文庫　2009　
　・松本清張　「砂の審廷　小説東京裁判」　ちくま文庫　2008　
　・三島由紀夫　「命売ります」　ちくま文庫　1998
　・皆川博子　「蝶」　文春文庫　2008
　・南木佳士　「山中静夫氏の尊厳死」　文春文庫　2004　
　・夢野久作　「瓶詰の地獄」　角川文庫　2009 改版初版
　・横溝正史　「山名耕作の不思議な生活」　徳間文庫　2007　
　・吉田修一　「長崎乱楽坂」　新潮文庫　2007　　
　・吉村 昭　「死顔」　新潮文庫　2009

　　海外小説　＆　エッセイの部

　・マルセル・エメ　「マルセル・エメ傑作短編集」　（露崎俊和 訳）　中公文庫　2005　
　・スティーヴン・キング　「いかしたバンドのいる街で」　（白石 朗 他 訳）　文春文庫　2006
　・アゴタ・クリストフ　「昨日」　（堀 茂樹 訳）　ハヤカワepi文庫　2006　　
　・パウロ・コエーリョ　「アルケミスト　夢を旅した少年」　（山川紘矢、亜希子 訳）　角川文庫　1997
　・サキ　「サキ短編集」　（中村能三 訳）　新潮文庫　1958　
　・アンドレア・M・シェンケル　「凍える森」　（平野卿子 訳）　集英社文庫　2007
　・ショーペンハウエル　「知性について　他四篇」　（細谷貞雄 訳）　岩波文庫　1961　
　・ショーロホフ　「人間の運命」　（漆原隆子 訳）　角川文庫　2008 改版初版
　・ジェームズ・スロウィッキー　「「みんなの意見」は案外正しい」　（小高尚子 訳）　角川文庫　2009　　
　・ソルジェニーツィン「イワン・デニーソヴィチの一日」　（木村 浩 訳）　新潮文庫　1963
　・チェーホフ　「馬のような名字　チェーホフ傑作選」　（浦 雅春 編訳）　河出文庫　2010
　・トルストイ　「光あるうち光の中を歩め」　（原 久一郎 訳）　新潮文庫　1952　
　・ティム・バートン　「オイスター・ボーイの憂鬱な死」　（狩野綾子、津田留美子 訳）　UPLINK / 河出書房新社　1999　
　・ジュゼッペ・ポンティッジャ　「家の鍵 ― 明日、生まれ変わる」　（今村明美 訳）　集英社文庫　2006
　・マンシェット　「愚者（あほ）が出てくる、城寨（おしろ）が見える」　（中条省平 訳）　光文社古典新訳文庫　2009
　・スティーヴ・モス / ジョン・M・ダニエル編　「極短小説」　（浅倉久志 選訳）　新潮文庫　2004
　・トーベ・ヤンソン　「誠実な詐欺師」　（冨原眞弓 訳）　ちくま文庫　2006　
　・魯迅　「酒楼にて／非攻」　（藤井省三 訳）　光文社古典新訳文庫　2010
　・ロブ＝グリエ　「迷路の中で」　（平岡篤頼 訳）　講談社文芸文庫　1998　　　
　

　　タレント本だのエッセイだの　＆　分類不明の部

　・内田百聞 *　「間抜けの実在に関する文献」　福武文庫　1990　*「聞」…正しくは門がまえに月
　・大人の教科書編纂委員会 編　「大人の教科書　日本史の時間」　青春出版社　2001　
　・折口信夫　「歌の話・歌の円寂する時 他一篇」　岩波文庫　2009
　・呉 智英　「大衆食堂の人々」　双葉文庫　1996　　
　・佐藤嘉尚　「伊能忠敬を歩いた」　新潮文庫　2001
　・白洲正子　「両性具有の美」　新潮文庫　2003
　・高橋聖人、茅島奈緒深　「ジロジロ見ないで ～“普通の顔”を喪った9人の物語～」　扶桑社　2003
　・田村研一　「ホームレス大学生」　ワニブックス　2008　
　・出久根達郎　「セピア色の言葉辞典」　文春文庫　2007
　・林 信吾　「「戦争」に強くなる本 ― 入門・アジア太平洋戦争」　ちくま文庫　2007
　・藤田香織　「ホンのお楽しみ」　講談社文庫　2010　
　・別冊宝島編集部 編　「となりの創価学会」　宝島SUGOI文庫　2008　　　
　・安岡正篤　「酔古堂剣掃　「人間至宝の生き方」への箴言集」　PHP文庫　2005　
　・山北 篤 監修　「知っておきたい 地獄・冥界・異界と天国」　西東社　2009　　
　・山田風太郎　「死言状」　小学館文庫　2005
　・吉田 敬　「ブラックマヨネーズ吉田敬のぶつぶつ」　ヨシモトブックス　2009　
　・米原万里　「真夜中の太陽」　中公文庫　2004　
　・リリー・フランキー　「増量・誰も知らない名言集 イラスト入り」　幻冬舎文庫　2006