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2011.04.10
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カテゴリ:書籍・雑誌
 風野真知雄さんの著書を初めて読んだのは昨年5月のこと。「穴屋佐平次難題始末」という、穴屋を営む男の話だった。正直、風野さんにはあまり期待はしていなかったのだが、試しに読んでみるとこれがまた文章が軽くて面白いこと!「佐平次は昔、凄いデブだったのだ」という件では思わず笑ってしまった。
 その頃あたりから、バイト先の古本屋に並んでいる風野さんの「妻は、くノ一」シリーズがやたら気になりだしたものの、時代小説に登場する女性というのがどうも好きになれないので(例えば佐伯泰英さんの人気シリーズ「居眠り磐音 江戸双紙」に登場するおこんさんや、許婚だった奈緒さんみたいな。完璧すぎて白けてしまう)、女性が主人公のような話はヤだなぁ…と、ずっと敬遠していた。

 だが、今年掲げた読書目標はズバリ「読まず嫌い克服」!ま、試しに読んでみるか…と図書館でシリーズ3作目までを借りて読んでみたら、もう面白いの何のって! 3冊一気に読み終えるや、その夜のうちにAmazon.で今まで発行されている9巻までを全て購入してしまうほど、ハマりまくってしまった。こんなに切なくて面白い時代小説は初めて!泣き笑い
 
 平戸藩の御船手方書物天文係の雙星彦馬は、三度の飯より星が好きという藩きっての変わり者。そんな彦馬のもとに上司の紹介で美しい嫁・織江がやってきた。
 彦馬は生涯大切にすることを心に誓うが、わずかひと月で新妻は失踪してしまう。じつは織江は、平戸藩の密貿易を怪しんだ幕府が送り込んだくノ一だった。
 そうとは知らず妻を捜しに江戸へ赴く彦馬だったが…。(第1巻より)

 彦馬の、妻を一途に想う気持ちも好ましいが、それにもまして織江の彦馬への想いが何ともいじらしく、読みながらついつい応援してしまう。
 そんな二人の想いを知って何とか織江が逃げられるように協力する、かつて「天守閣のくノ一」と呼ばれた母・雅江に、幼馴染のくノ一・お蝶。嗚呼、女性キャラが嫌いだなんて、どの口が言ったのか?織江は勿論、雅江さんもお蝶もめっちゃ好い。
 女性だけでなく男性陣も魅力的で、特に元平戸藩主にして今は彦馬の天体観測仲間である松浦静山(「甲子夜話」でお馴染み)の格好よさ、自らの危機を救ってくれた雅江を菩薩と崇める中奥番・鳥居耀蔵の変態さ、彦馬の友人で南町奉行所の臨時回り・原田朔之助の清々しさ。もう「ルパン三世」並に登場人物が皆それぞれいいんだわ(^^)

 とりわけ個人的一押し人物は、彦馬が織江を探しに江戸へ行く際、雙星家の養子になった雙星雁二郎だ。
“こんなのを我が家の跡継ぎにして大丈夫なのか?”と変わり者の彦馬に心配され、
“―大丈夫か、こいつ”と織江にまで雙星家の行く末を心配されてしまった雁二郎。
養子など誰でもいい、犬に継いでもらったって構わないとさえ思っていた彦馬が、これがうちの養子かと思うと先祖に詫びたくなったという雁二郎…。
 芸が得意で、笑ってもらえるのが何より嬉しいという雁二郎の持ち芸は、年間ほぼ100回はやるという人気の<すっぽんぽんのぽん>を始め、一番得意の<犬のぷるぷる>(数バージョンあり)、新芸<お墓参りで思わず屁>、筆舌に尽くし難いという究極芸<黄金の袋>などなど。
 いやまぁ彼のレパートリーはどうでもいいのだが、この雁二郎が実は驚くべき男なのであーる!

 いよいよ次の10巻が最終なのだが、果たして彦馬と織江は無事に再会出来るのだろうか?早く読みたい…けれどこんなにも面白い小説がもう読めなくなると思うと寂しい。
 時代小説でありながら恋愛もギャグも天文話も詰まっている「妻は、くノ一」シリーズ、もし興味を持たれた方は是非とも読んでみて下され。設定をあれこれ詰め込みすぎて話が雑な部分はあるが、面白さは断トツ!彦馬と織江の純愛カップルの結末や如何に!? でもって雁二郎はどーなる!?





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Last updated  2011.04.10 20:06:30
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