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“親友の葬式で、勝手に死者との絆を強調する自己陶酔型の弔辞に嫌気がさした会社社長の本宮は、自分自身の生前葬を企画する。だが彼は知らなかった。妻の涼子が重い病に冒されて、余命幾ばくもないのを隠していることを…。”
内容紹介文とタイトル、そして群青色の空とエメラルドグリーンの海に真っ白い砂浜という美しい表紙につられ、吉村達也さんの「生きてるうちに、さよならを」を読んでみた。 命の重みや人生の深みを味わえる作品かと期待していたら、意外や普通のサスペンスストーリーだった。普段はこういう作品をあまり読まないので、結構面白かった。ちょっとした気分転換にもなったし。 5月に読了した本はたったの8冊。このペースだと年間100冊にも満たないかも…(><) 小学生の頃、教室の本棚にズラリと並んでいたポプラ社発行の『少年探偵シリーズ』を夢中で読み漁って以来、ずっと江戸川乱歩作品を愛読している。 今回読んだ「パノラマ島奇譚」も既に何度か読み返している作品なのだが、数年ぶりにまた読んでみた。これを読むと、「江戸川乱歩の美女シリーズ」(明智小五郎役の天知茂さんがマスクをペリペリ剥がすシーンが大好きだった)で伊東四朗さんや叶和貴子さん等が演じた、この作品が原作の「天国と地獄の美女」を思い出す。あれはエロかったよなぁ… (/ω゚\)チラッ 2ヶ月ほど前に読んだ玄侑宗久さんの「慈悲をめぐる心象スケッチ」で、初めて宮沢賢治さんがどういう人だったかを知り、今更ながら「銀河鉄道の夜」(角川文庫)を買って読んでみた。 心がどす暗いせいか性格が歪んでいるせいか、正直なところ話の内容は然程心に響かなかったのだが、透明感あふれる表現の美しさが印象的だった。 個人的には「ひかりの素足」という、雪の峠で迷ってしまった兄弟の話が何とも切なく、また溺れている鳥の子を助けた子兎が鳥の王様から宝珠を贈られ、やがて破滅を迎えてしまう「貝の火」が強く心に残った。 5月に読んだ本 歴史・時代小説 ・新編 武将小説集 かく戦い、かく死す (柴田錬三郎) 集英社文庫 2007 歴史・時代モノ以外の小説 ・パノラマ島綺譚 江戸川乱歩ベストセレクション6 (江戸川乱歩) 角川ホラー文庫 2009 ・ものがたり 唐代伝奇 (陳舜臣) 中公文庫 2008 ・銀河鉄道の夜 (宮沢賢治) 角川文庫 1996 ・最後の特攻 人間の剣 昭和動乱編(二) (森村誠一) 中公文庫 2004 ・生きてるうちに、さよならを (吉村達也) 集英社文庫 2007 海外モノ ・ショート・ショート・ストーリー まさかの結末【KINKERLITZCHEN】 (E・W・ハイネ【E.W.Heine】, 松本みどり 訳) 扶桑社ミステリー 2006 エッセイ、その他 ・特攻 新聞記者が語りつぐ戦争 3 (読売新聞大阪社会部) 角川文庫 1984 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.02 17:29:06
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