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2011.07.31
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カテゴリ:書籍・雑誌
 今月も僅かに7冊しか本を読んでいない…嗚呼、貧乏暇なし。
とはいえ今月読了したものは2、3作品を除けば読み応えがあったものばかりで、読後の余韻に浸る幸せを久々に満喫出来た。
 
 昨年河出から出版された久生十蘭の短編集「久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集」は、“小説の魔術師”と呼ばれるに相応しい十蘭さんのバラエティに富んだ珠玉の短編10作品が収められている。
 個人的には酒井家の転封にまつわる騒動、いわゆる“姫路騒動”を題材にした「無惨やな」、九十九里浜の沖合で時化に遭い、無人島に漂流した遠州の船子達の物語「藤九郎の島」、中国人労働者に対する非道っぷりを淡々と描いた「美国横断鉄路」などが興味深かった。

 「砂の女」や「」、「箱男」等で知られる…って知ってはいるがいずれも未読だけど…まぁ日本を代表する作家の一人であることには間違いない安部公房の「榎本武揚」を読んだ。
 バイト先の古本屋さんで文庫本を整理をしていた際にたまたま目に留まり、パラパラと読んでみると非常に面白かったので即購入。現在は90年に出版された 〔改版〕版が出回っているが、私が読んだのは中央公論から73年(昭和48年)に出版された方である。といっても改版前と後ではどこがどう変わっているのか知らないけれど。
 物語の主人公である榎本武揚はさておき、新選組ファン、特に土方歳三ファンの方にはこの作品を読んでみられることを強くお勧めしたい。作者は実際に土方さんの傍にいて会話を直に聞いたのではなかろうか?と錯覚しそうなほどに素晴らしかった。

 読売新聞の人生案内の回答者としてもお馴染み、出久根達郎さんの「御書物同心日記」は、将軍家の御文庫に勤める新米御書物方同心・東雲丈太郎(26歳)と、個性豊かな先輩同心や同じ新米同心・白瀬角一郎たちのまったりとした日常を描いた江戸情緒溢れる連作集で、本好きにはたまらなく魅力的で面白い作品であった。シリーズ化されて続編が2冊出ているらしいので、早くそちらも読んでみたい♪ 

 他には、豊後の大友宗麟に仕えた武将・立花道雪戸次鑑連)の壮絶な人生を描いた「立花道雪 炎の軍扇」や、もうすっかり忘れていた今年の読書目標「読まず嫌い克服」を実行すべく読んでみると、結構すんなり読めて親しみすら覚えてしまった村上春樹さんの旅エッセイ「辺境・近境」なども面白かった。

 book5.gif 7月に読んだ本

 歴史・時代小説
 ・榎本武揚 (安部公房) 中公文庫 1973
 ・御書物同心日記 (出久根達郎) 講談社文庫 2002
 ・立花道雪 炎の軍扇 (西津弘美) 学陽書房 人物文庫 2009 
 
 歴史・時代モノ以外の小説
 ・久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集 (久生十蘭) 河出文庫 2010 

 新書
 ・人間の器量 (福田和也) 新潮新書 2009 
 
 エッセイ、その他
 ・銅像めぐり旅 ニッポン薀蓄紀行 (清水義範) 祥伝社文庫 2006
 ・辺境・近境 (村上春樹) 新潮文庫 2000 
 ・梁塵秘抄 (後白河法皇 編纂:川村 湊 訳) 光文社古典新訳文庫 2011  





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Last updated  2011.08.01 01:10:05
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