カテゴリ:岸部四郎さん
「秋だぜ!岸部シローちゃんまつり」、第5夜の今宵は、ザ・タイガースの主演映画第3弾にしてシローちゃん(岸部四郎さん)が初めて演技を披露した、69年7月公開の「ザ・タイガース ハーイ!ロンドン」について。
憧れのロンドンで、タイガースが大暴れ!! GSの本場ロンドンでタイガースが巻き起こす、夢と笑いと音楽の世界! 華やかなスポットライトを浴び、熱狂するステージで歌いまくるザ・タイガース。だが、スケジュールに追われる彼らには共通の願いがあった。それは “自由で気ままな時間が欲しい” ということ。そんな彼らの前に現れた悪魔の化身・出門鬼太郎。出門は魂と引き換えに自由な時間をくれるというのだが…。(DVDパッケージより) ――とまぁ、コッテコテのアイドル映画である。前作2本は未見だが、これより更にコッテコテらしい。如何にも昭和のアイドルという感じ(^^; タイガースのマネージャー役に左とん平さん。「西遊記II」で猪八戒役を演じ、悟浄役のシローちゃんと息の合った演技をしていた、あの八戒だ。出門鬼太郎役は藤田まことさん。ヒロイン・新倉めぐみ役は久美かおりさん。久美さんはこの映画の撮影を最後に芸能活動を休業し、翌年芸能界を引退したらしい。 この映画に関して、シローちゃんは自著の中でこんなことを記している。 “…グループに入って、自信も存在理由も失いそうになっていたぼくに、新しい自分を発見するチャンスが訪れた。 あれは、タイガースに入って3ヶ月目くらいのことだったと思う。 「ハーイ!ロンドン」 というタイガース主演映画の撮影で、ロンドンへ行くことになった。ぼくにとって初めての芝居体験である。外国に出て、珍道中気分だったぼくは、実に気楽な気持ちで撮影に入った。台本も難しそうには思えない。 他の4人のメンバーは、二枚目バンドの宿命で、下手な標準語で気どってセリフをしゃべる。ところが、ぼくは京都弁丸出し。誰かが言ってくれた言葉が、現在も心にある。 「シロー、案外うまいやないか。すごく雰囲気、出てるよ」 (!!) そのうち、みんなが「リアリティがある」とか「シロー、役者になれるで」とか言ってくれる。そこで、ぼくは初めて自信らしきものを手に入れたのである。小さな光が見えたような気がしたというと、ワザとらしいか? この芝居との出会いが、ぼくの将来を決定するとは、もちろん気づくはずもない。 (ぼくに、芝居が出来る) これは、大きな発見だった。” (岸部シロー著『ニュー30'Sの憂鬱』より長めの抜粋。ごめんね、シローちゃん) ホント、シローちゃんの言うとおり、シローちゃんの台詞回しは他のメンバーと比べて確かに上手い。というか、4人(&ヒロイン)が棒読みすぎるというのもあるけど…。おまけにシローちゃんの単独台詞は20コもないのだけれど…(^^; 「暑いなぁ、この部屋は。よぉこんなトコみんないるわ」 (廊下?で寝てたシローちゃんが楽屋に入ってきて) 「でも時間までに帰ったらエエわけやろ。…キエ~ッ!痛い痛い痛い…あ゛~」 (時間を買って遊んできたジュリーが証拠に持ち帰ったカブトムシに指を挟まれて) 「ほんならこんな所でグズグズしている場合やないやないか」 (出門の手先の美女に誘惑されて海まで来たものの、美女が突然消えて騙されたと気付く) 「そら当然やな。ちょっと散歩行ってくるわ」 (泊めてくれというヒロインを皆で追い返すも、散歩のふりをして後を追おうとする心優しいシローちゃん) 「オレはもう、ハイドパークあたりで寝たいわ」ふぁ~ (ロンドンに着いて早々、寝たいという…。彼は楽屋でも、車内でも、飛行機内でも寝てばかり) 「あれぇ、この振り子止まってるで」 (帰りの飛行機までまだ時間があると思っていたら、出門が時計を止めていた!それに気付いたシローちゃん、偉いッ!!) シローちゃんは演技も実に自然体。表情も演技もず~っとやる気なさげなのに、出門の手先の美女や、英国美女を追いかけるシーンでは、満面の笑顔で瞳キラキラ うん、分かりやすくて それにしても、この作品を見て感じるのは、シローちゃんのスタイルの良さ! 身長187cm、スラリとして実に格好いいということ 顔やオーラではジュリー(沢田研二さん)やピーさん(瞳みのるさん。シローちゃんの次にお気に入り)には敵わないが、並んで立つと断トツでシローちゃんが格好いい(*^^*) サリー兄ちゃん(シローちゃんの実兄・岸部一徳さん)やタローさん(森本太郎さん)も長身なんだけど、ちょっと痩せすぎなのか、シローちゃんほどスタイルいいとは思えないんだよね。 バブル期は3高男(高学歴・高収入・高身長)がもてはやされたけど、やっぱり身長って大事やね。 芝居が出来る!という新たな発見をしたシローちゃんは、タイガース解散後は役者として歩むことに。そして「遠山の金さん」でのドジな南町同心・赤目玄蕃役や、「西遊記」でのクールな河童・沙悟浄役で、お茶の間ではすっかりおなじみの役者さんとなるのであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.09.30 00:59:53
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