カテゴリ:The B-52's
『Mesopotamia』 released on January 27, 1982
2枚のオリジナルアルバムで独自のスタイルを確立したものの、収録されている曲のほとんどはデビュー前から演奏していたものだった。そこで新たな曲作りを始めたものの、レコード会社やマネージャーからの絶え間ないプレッシャーに加え、ご近所トラブルやら共同生活の疲れやらで思うように進まず、結局リミックスアルバムという形で取り敢えずは凌いだ。 そんな彼等に、ニューアルバムにはトーキング・ヘッズ(Talking Heads)のデヴィッド・バーン(David Byrne)をプロデューサーに迎えてはどうかと提案したのは、マネージャーのゲイリー・カーファースト(Gary Kurfirst)であった。81年10月、今までと同様にバハマ・ナッソーのコンパス・ポイント・スタジオでレコーディングに取り掛かった。 バーンはバンドの音楽を完全に変えたと批評された。トランペット、サックス、アフロキューバン(黒人色の濃いキューバ音楽的な)パーカッション、そしてヴォーカルのオーバーダビングも取り入れられており、バンドが確立した音楽からの勇気ある離脱が試みられていた。これまで発表した2枚のアルバムは基本的にスタジオでのライヴ録音であったが、今回のアルバムで彼等は新しいアイデアの実験をし、進んで違うアプローチを試みたのである。 残念ながらこの変化は多少強引且つ急いで行われたため、カーファーストとレコード会社からのプレッシャーはますます増える結果となり、そのため「Mesopotamia」は6曲入りEPとして発売された。他にも幾つか、“Queen of Las Vegas”、“Big Bird”、“Butterbean”、“Adios Desconocida” 等の曲作りも進んでいたが、アルバムリリース時にはまだ完全でなかったとかで今回は収録を見送られた。(“Adios Desconocida” 以外の3曲は、翌83年リリースの3rdアルバムに収録) B'sは “Deep Sleep” ではなく “Big Bird” をEPに入れたかったそうだが、レコード会社に却下されたらしい。なので翌月からの『Meso-Americans Tour』では “Deep Sleep” を演奏せず、毎回 “Big Bird” を演奏したらしい。まぁ “Deep Sleep” はこのEPの中で唯一リッキーが作曲に係わってないようなので、個人的にはあまり関心がない…(^^; 「Mesopotamia」はBillboardチャートで35位、英国では18位だった。うーん、妥当かな。何というか…悪くは無いけど、B'sとしては微妙な感じ。前回も書いたが、余程のマニアかコレクターでない限りは、前作のリミックスアルバムと今回のEPが1枚に収まっている「Party Mix! / Mesopotamia 2 Albums on 1 Compact Disk」を持っておけば十分だと思う。正直なところ、そこそこのファンだと自負している自分でも、「Party Mix!」と「Mesopotamia」は数えるほどしか聴いたことがない。いやまぁ、好みの問題だろうけど。 ちなみにジャケットに描かれているメンバーのデザインは、シンディ画伯によるものである お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2021.01.12 17:24:37
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