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2021.01.28
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カテゴリ:The B-52's

 『Nude on the Moon: The B-52's Anthology​

 2002年1月にワーナー&ライノからリリースされた2枚組ベスト盤「Nude on the Moon: The B-52's Anthology​」の第2部では 、50Pにも及ぶ読み応え十分なブックレットについて御紹介。
その内容のみならずお宝写真も満載で、あまりの素晴らしさに感激した。

 ページを捲るとメンバーがそれぞれ思い出を綴っているのだが、キースはリッキーと共に過ごした日々に思いを馳せ、シンディはリッキー亡き後の絶望から復活までを記している。リッキーに触れている部分だけ書き出してみよう。

 「ジョージア州アセンズにあるサイケデリック・ショップ『Looking Glass』の前に立っているリッキー・ウィルソンに初めて会ったとき、彼は髪を肩まで伸ばして幸せそうに見えた。それは69年の夏で、彼は2トラックテープレコーダーを買うお金を貯めるため、市の清掃局で働いていた。
 その年の秋、僕たちは学校で一緒に遊ぶようになった。ある日リッキーが自宅に招待してくれて、自作の曲を新しいオープンリールテープに録音したものを聴かせてくれた。アコースティック・ギターで作曲され、意表をつくヴォーカルメロディの入った、奇妙で美しい曲だった。その中の “I'm Not Looking For Myself” は家族――妹のシンディも一緒に――がコーラスを歌っていた。僕は本当に驚いたんだ。
 すぐに僕たちは一緒に曲を作り始めた。僕がベースを弾き、リッキーはシアーズのシルバートーンのエレクトリック・ギターを弾いていた。僕たちは自分たちのことを “Loon(愚か者)” と呼んで、たった一つのリフを15分間延々弾き続けるというパフォーマンスの計画を立てたりした。
 高校卒業後、僕たちはパラスキー・ストリートにアパートメントを借り、フレッドや他の自由奔放な友人達もしょっちゅう立寄っていた。時々、水タバコに着火したあと僕たちはテープを回しながら “サウンド・プール”――楽器になるものなら何でも使って…手や歌、詩の暗唱、叫んだり笑ったりして即興演奏していた。
 僕たちがケイトに会ったとき、彼女はアセンズの郊外に住んでいた。シンディ、リッキーと僕はパリに旅行して地下鉄の中で歌うことを計画していて、フレッドはバンドを始めたかった。僕たち5人はしょっちゅうケイトの家にたまって、いろんなパーティーに押しかけたり、雨の中で踊ったりしていた」by Keith

 「 世界で最も楽しいことの一つはバンドに参加すること――特にそのバンドがThe B-52'sの場合はそうだった。私達は多くの笑いと涙、悲劇と祝典を共有した。
 リッキーは私の兄で、The B-52'sの創設メンバーだった。彼は優しくて、シャイな笑顔で、とてもユニークな才能のあるミュージシャンだった。彼が亡くなったとき、私の全世界は揺さぶられ、私は荒廃した。そしてグループとして、私たちの誰もが彼なしで続けることを本当に想像することが出来なかった。私たちは曲作りやライヴパフォーマンスでさえ、出来るか分からなかった。
 だけど勇気と意志と、リッキーの魂が私たちを助けてくれていると信じて、私たちは「Cosmic Thing」を作り上げ、大ヒットした。非常に暗い期間にみんなで団結してやっていくことを表現しているように感じる」by Cindy


 英語はそれほど得意ではなかったので誤訳も多々あるだろうが、まぁ概ねこのようなことが書かれている。そして25年間に亘るバンドの歩みが20Pほどにまとめられ、様々な貴重な写真(個人的には “Lava”、“Hero Worship”、“Devil in My Car”、“Ain't It A Shame”、“Deadbeat Club” の歌詞手書きメモ写真が嬉しい。“Ain't It A Shame” はシグマ・サウンド(Sigma Sound Studios。「Bouncing off the Satellites​」がレコーディングされたスタジオ)のメモ用紙に書かれてあるので、当時のものなのだろう)も惜しみなく、そして収録曲リストがあり、最後にメンバー個々による謝辞が記されている。
 まずフレッドは、シンディ、ケイト、キース&リッキーに謝意を捧げ、ミュージシャンやクルー、ファンに感謝。家族や友人たち、マネージメントやレーベルにも謝意を述べている。 
 続くケイトはまずファンに、そしてクルーやレーベル、ボイスティーチャーにも感謝を。
 シンディもファンやクルー、マネージメントやレーベルに感謝。最も謝意を伝えたいのは家族である夫や子供たち、両親などで、最後に「ありがとう、リッキー、愛してる」。
 キースは、パートナーであるマークの愛と誠実さ、励ましとインスピレーションにまず感謝。そして家族やファンに、シンディ、フレッド&ケイトにも、更に地球の精霊(Earth spirits)とやらにも感謝の意を表し、それから… 
「最愛の友人、メンター、そして音楽的天才であるリッキー・ウィルソンに永遠に感謝する」。
“The original is still the greatest.” と。
 リッキーが世を去って20年近く経っても、ずっと最愛の友人で、メンター(信頼のおける相談相手、良き指導者)だというキースの想いと二人の友情に、胸が熱くなった。
 最後の最後に、まとめて感謝したい方々の名前がズラリと列挙されており、こちらも興味深い。

 これだけ素晴らしいブックレットが付いているのに、このベスト盤は何故かあまり買われてないような…。B'sファンは音楽が好きでも、メンバーにはそれほどまで興味がないのかしらん!?






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Last updated  2021.01.28 15:52:24
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