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2021.03.24
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カテゴリ:Corey Feldman
およそ10年ぶりに80's 洋画カテゴリー()の記事を書く気になったのは、先月のリッキー・フェス 26夜で『マイ・プライベート・アイダホ(My Own Private Idaho)』を取り上げた際、何度かDVDを見返しているうちにすっかりリヴァー・フェニックス(River Phoenix)の魅力にハマってしまったからである。誕生日も同じだし…って、しつこいなぁ。座布団運びの山田君も同じだよ!?
 で、リヴァー見たさに今更ながら『スタンド・バイ・ミー(Stand By Me)』のDVDを購入して観てみた。86年の公開当時は高校生だったこともあり、子供映画なんて全く見る気にもならなかったが、大人になってからこういう映画を観ると何だか妙に感動…というか、胸にくるものがある。子供たちのホッケー映画『飛べないアヒル(The Mighty Ducks)』とかもそう。お母さん目線で観ちゃうからなのかな、一生懸命演じている子供たちが本当に可愛くて愛おしい。
  80's洋画カテゴリーからCorey Feldmanカテゴリーに移動しました

 1959年オレゴンの小さな町。文学少年ゴーディをはじめとする12歳の仲良し4人組は、行方不明になった少年が列車に轢かれて野ざらしになっているという情報を手にする。死体を発見すれば一躍ヒーローになれる! 4人は不安を興奮を胸に未知への旅に出る。たった2日間のこの冒険が、少年たちの心に忘れえぬ思い出を残した…。(DVDパッケージより)

 ウィル・イートン(Wil Wheaton)演じる文学少年・ゴーディがこの映画の主人公なのだが、4人の中では最も影が薄いような…。ジェリー・オコンネル(Jerry O'Connell)演じるちょっとノロマなぽっちゃり君・バーンは、いかにも米国映画に出てくる少年という感じ。
 まぁその2人は置いといて(いや、2人とも可愛いけどね)、残る2人のうちの一人は、戦争で精神を病んだ父親にストーブで耳を焼かれながらも父を敬慕し、軍隊に憧れている眼鏡の変わり者・テディ。演じているのは『グレムリン(Gremlins)』(84年)や『グーニーズ(The Goonies)』(85年)などで既にお馴染みだったコリー・フェルドマン(Corey Feldman)。流石に芸達者である。4人が冒険の途中で休憩するために忍び込んだゴミ捨て場の管理人から父親のことを侮辱され、激昂するシーンではコリーの演技力が光っている。
 子役時代から活躍していたコリーだが、ドラッグ依存で苦しんだり、当時大人たちから受けていたという性的虐待について告白したり、ミュージシャンとして天使の格好をした女性(Corey's Angels)を引き連れてTVで茶の間ドン引きのパフォーマンスを披露したり、と何だかエラいことになっている。ハリウッドの有名子役たちが辿る道は、何故こうも険しいのだろう。負けるな、コリー!
 Go 4 It - Corey Feldman & the Angels

 そしてお目当てのリヴァーが演じているのは、酒に溺れた父親と不良の兄を持ち、その家庭環境の悪さのせいで教師からも裏切られて自身の将来に希望を抱けない、賢くて正義感の強いリーダー格・クリス。主人公・ゴーディの才能を評価し、小説家になるよう強く勧めたのも彼である。この映画は作家のゴードン・ラチャンス(少年時代の愛称はゴーディ)が、「弁護士クリストファー・チェンバーズ刺殺される」という新聞記事に目をとめ、少年だった頃をふと思い起こすところから物語が始まる。クリスは劣悪な家庭環境下にもかかわらず必死に努力をして弁護士になったものの、子供の頃からの持ち前の正義感が災いし、たまたま入ったレストランでもめていた客を仲裁していて刺殺されたのだった。
 リヴァー少年が時折見せる子供離れした表情が非常に印象的で、惹き付けられた。時には子供っぽく、時には大人顔負けの演技で魅了する、素晴らしい役者だと感心した。ルックスの良さだけじゃなかったんだ。だからこそ亡くなって30年近く経った今でも語り継がれているのね。

 この映画の原作はスティーヴン・キング(Stephen King)の中編作品集「恐怖の四季(Different Seasons)」の内の一編「The Body(スタンド・バイ・ミー 秋の目覚め)」。
 原作ではゴーディから見たクリスが主人公であり、見つけた死体のことでクリスやバーンの兄たちがいる不良グループともめた際、リーダーのエースに銃口を突きつけたのはゴーディではなくクリスである。それ以外は原作にほぼ忠実に実写化されており、クリスがゴーディに聞きたいとせがんだゲロまみれのパイ食い競争の話も原作どおりだ。嘔吐恐怖症の気がある私は、2回目以降そのシーンだけは飛ばして観るようにしている。男の子ってエロとかゲロとか好きだからなぁ…。
 DVD特典で監督のロブ・ライナー(Rob Reiner)による音声解説があるが、クリスのラストシーンはリヴァーのその後を暗示しているようで観るのが辛い――というようなことを言っていた。
テディとバーンは普通にさよならを言って別れるのに、最後にクリスだけはスーッと消えてしまうという…。この去り際のクリスの表情が本当に大人びていて、クリスにしろ演じているリヴァーにしろ、近い将来に起こる悲劇を否応無く感じさせられて胸が痛む。
 死体探しの冒険という内容はどうかとも思うが、少年たちのピュアな魅力溢れる素晴らしい映画だった。名作や感動作にはほとんど興味がなくて今までスルーしてきたが、随分と勿体無い人生を過ごしてきたのかもしれない。これを機にもっと映画に触れてみようかな。

 12才の夏、誰も大人になんかなりたくなかった…。





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Last updated  2023.02.27 18:36:30
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