カテゴリ:許冠文&Mr.Boo!
「Mr.Boo! マイケル・ホイ(許冠文)祭」も遂に第20夜を迎えた。今宵は92年に公開された日本未公開作品「丐世英雄」を御紹介。
マイケルは役者として出演しているのみで、監督を務めているのは陳友(アンソニー・チェン)。元々は「合家歡」の主題曲を歌った譚詠麟(アラン・タム)がvoのバンド・溫拿樂隊(The Wynners)のドラマーなのだが、映画にもそこそこ出演しており、監督作もいくつかある多才人だ。 あ、あと主題曲を歌っているのもマイケルだ。“東方雄雞” というラップ調の曲なのだが、劇中ひっそり流れているだけなので聴き逃しちゃうかも。 タイトルに付いている “丐” は乞う、乞食とか物乞いとかいう意味で、日本だとちょっと公開しづらかったのかも。 マイケル演じる馬偉は人民解放軍第24軍第4師団騎兵中隊の中隊長だったが、軍縮の波により現代戦争のニーズに適応できなかった騎兵隊は解散を余儀なくされた。馬偉は部下だった吳君如(サンドラ・ン)演じる阿美、黎彼得(ピーター・ライ)演じる阿B、雷宇揚(サイモン・ルイ)演じる阿羊、そして甥でもある張堅庭(アルフレッド・チョン)演じる阿安の4人を引き連れて田舎の競馬場で働いていた。馬偉らは苦労しながらも、いつか自分の馬場を開くことを夢見ていた。 ある日、省都で富を築いた馬偉の従兄が田舎に戻ってきた。従兄の羽振のよさを見せ付けられた馬偉らは、他所で働きたいと思うようになり、従兄の会社のある広州へとやって来た。ところが従兄の会社に着いた途端に警察の強制捜査が入り、従兄が武器の不法密売で儲けていたことが判明。馬偉も共犯者として逮捕され、武器密売は死刑に値する犯罪であったため、馬偉や従兄らは全員死刑判決を受けて銃殺された。馬偉は自分も死んだと思ったが、空砲を撃たれただけで助かっていた。馬偉の犯罪は軽微だったため、手持ちのお金で罰金を支払って釈放された。 しかし有り金を全て罰金で取り上げられたため、馬偉と4人の部下は路上生活者となり、その日の食事にも困る有様。街の物乞い達を真似て4人は侏儒(小人)のフリをし、葉榮祖(イップ・ウィンジョー)と苑瓊丹(キングダム・ユン)が演じるカップルに物乞いするが、実は二人も侏儒であった。5人は賭博や換金詐欺で何とか生活費を稼いでいたが、馬偉は陳惠敏(チャーリー・チャン)演じる組織のボス・穆繼光相手に詐欺を働こうとしてバレるも、何とか逃げ切る。阿美も歌手の郭承に誘われて有頂天になるが、騙されて襲われそうになる。そんな時、穆繼光から5万元で働かないかと誘いを受ける。馬偉は断るが、欲に目が眩んだ阿安は仲間を捨てて穆繼光の元へ行ってしまった。 広州での生活が想像以上に悲惨だったため、お金を集めてフェリーで香港に密入国した馬偉達は、劣悪な環境にも負けず工事現場で働いていた。しかし給与支払日に李兆基演じる二叔がわざと警察を呼んだため、馬偉達は何とか逃げ果せたものの給与はもらえなかった。やむなく馬偉は自分の血液を売ろうと採血したが、献血だと聞いてガッカリ。その代わり精子なら300元貰えると聞き、精子を提供したものの身分証がないと受け取れないとのことで諦めるしかなかった。遂には車のドアを開けてチップを要求している所に偶然穆繼光らが高級車で現れ、馬鹿にされながらも穆繼光が放り投げた紙幣を拾う馬偉。やっと手にしたお金でささやかながら阿羊の誕生日会を開くも、馬偉の苦労を知っていた3人は号泣。と、そこへ二叔が逃げ延びた密航者達に追われてやって来た。恨みのあまり二叔をボコボコにし、賃金の支払を要求すると、二叔が経営する麻雀店に明日受取に来いと言う。 翌日、4人が麻雀店へ出向くも二叔は払う気がなく、手下どもにやられそうに。そこへ強盗団が押込み、二叔らは殺害されてしまう。強盗は穆繼光の一味で、彼の元にいた阿安は寝返って馬偉らを一味のフリをさせて逃げようとするが、穆繼光にバレてしまう。この時、襲撃を準備して大勢の警察官が現場に来ており、馬偉達と賭博師連中を含む全員が人質となった。馬偉は穆繼光に協力する素振りを見せるが、最後に友好の証として胴上げしていた穆繼光を放り投げた。突入してきた警官達に取り押さえられた穆繼光は逮捕され、馬偉らは劉江演じる警察署長から事件解決により100万元の報奨金を受取る。馬偉と4人の部下は喜んで田舎に戻り、自分達の競馬場を建設したのだった。 阿Bを演じている黎彼得(ピーター・ライ)は作詞家としても活躍しており、70年代半ば~80年代初め頃までサム(許冠傑)の曲の多くは2人で作詞している。「半斤八両」「賣身契」「摩登保鑣」等の作詞もサムと彼によるものだ。 そしてまたまた葉榮祖(イップ・ウィンジョー)おじさんが登場。マイケルとの共演もこれで5作目である。苑瓊丹(キングダム・ユン)も「新半斤八兩」にちょこっと出演して以来の再共演。 でもって再共演といえば陳惠敏(チャーリー・チャン)!チャーリーさんも86年公開の「神探朱古力」以来6年ぶりの共演で、今作ではマイケルとの絡みもたっぷりあって嬉しい。相変わらず悪の親分役で、キレのあるアクションも披露。ん~格好いい。 脚本を手掛けている吳文輝(ン・マンファイ)は「歡樂叮噹」では舞蹈指導となっているのだが、この方は何者なのだろう?この方が脚本を書いている「大丈夫日記」(88) や「中日南北和」(89) といったおバカなハッピー映画が大好きで、今作も期待にそぐわぬ面白さだ。 監督を務めた陳友(アンソニー・チェン)もちょこっと出演している。阿安が出て行った後、阿羊らがホテル客に亀を売付けようとしていたらホテル側に止められ、馬偉とマネージャーが言い合いになるシーンで、そのマネージャーを陳友が演じている。 「亀 (gwai)」「貴 (gwai)」「低 (dai)」等 “ai” で韻を踏んで早口に攻める馬偉に対し、負けじと「泥 (nai)」やら「雞 (gai)」やらも挟んで互角に言い返すマネージャーであった。 丐世英雄 Hero of the beggars 1992年8月27日(香港) 監製 : 伍潤泉 導演 : 陳友 編劇 : 吳文輝、怡冬 制片商 : 二友電影製作有限公司(Mobile Film Production)、美高影業有限公司(Ever Regal Films) 發行商 : 嘉禾電影有限公司(Golden Harvest)、永高影片發行有限公司(Regal Films) 演員 : 許冠文、吳君如、張堅庭、陳惠敏、黎彼得、雷宇揚、葉榮祖、苑瓊丹、李兆基、劉江 音樂 : 魯世傑 主題曲 : 許冠文 語言 : 粵語(広東語) 票房 : HK$ 16,808,816(1992年第20位) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.09.22 22:18:45
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