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「最近、夜叉神天の話に出るようになった『修験道』とはいかに。」
私書箱に質問を頂いたり、日記に「詳しく教えて」とコメントを頂きます。
そこで、日本の民族宗教「修験道」について、何日かに分けて文を書こうと思いました。
今までに購入した修験道に関する本を参考に、ボクも勉強しながらキーボードをたたきます。

○資料の紹介
はじめての修験道  田中利典・正木晃
修験道修行入門   羽田守快
学研 修験道の本

○修験道の開祖・役行者
修験道の開祖は、1300年以上前に活動していた「役行者(えんのぎょうじゃ)」と呼ばれる優婆塞(うばそく=出家せず、在家の熱心な信者)である。
色々な宗教には、必ず開祖がいらっしゃいますが、その中でかなり個性的な人物です。
役行者の「役」は一応名字で行者は修行する人のことです。
または役小角(えんのおずぬ)ともよばれ、役が名字で小角が名前です。
かなり昔の人物で、神通力(今でいう超能力か)を持っていたというから、伝説的なものが多く、信用できる文献が少ないです。
そのなかで、「正史」といわれる国が作った正式な歴史書にのっている記事はほんのわずかでしかありません。
 平安初期の「続日本紀」の文武天皇三(六九九)年五月二十四日の条がそれです。
「役君小角が伊豆に(刑罰として)流された。最初、小角は葛木山(葛城山=かつらぎさん)に住み、呪術が抜群と評判になった。
従五位下(という身分の)韓国連廣足は、当初はこの小角を師匠として修行していたが、小角の天才ぶりに嫉妬して、小角は妖術を使って悪いことをしていると、朝廷に訴えでた。そこで、朝廷は小角を、遠い僻地へ流罪にした。
 世間の噂では、小角は鬼神を自在に使役して、水を汲ませたり薪を採らせたりした。もし鬼神が言うことを聞かない場合は、呪文を唱えて、動けなくしたという。」
この記述から分かることといえば、次の通り。
1、「役君小角」という名前。葛木山に住んでいた。
2、呪術が抜群と評判で、鬼神を自在に駆使できた。
3、弟子の韓国連廣足に裏切られ、妖術を使って悪いことをしていると、無実の罪で朝廷に訴えられ、伊豆に流罪になった。
よく考えてみれば、役行者は一人の民間人であり、国の機関で出世したわけではない。むしろ、国を危うくしたと訴えられ、流罪になったいわば犯罪者である。
正史に記録が残るわけが無い。
しかし、国の書物には残らなくても民間の書物には役行者の記録が沢山残っています。民間人が民間の書物の記録に残るなら理屈に合っています。
平安時代には「日本霊異記(にほんりょういき)」を含め三書、鎌倉時代には「元亨釈書(げんこうしゃくしょ)」を含め三書、室町時代には「修験修要秘決(しゅげんしゅうようひけつ)」を含め三書、江戸時代には「本朝高祖伝(ほんちょうこうそでん)」を含め八書あります。

これほど伝記のたぐいが多い人物は日本の長い歴史の中でも極めて稀です。ということは、それほど人々に人気があり、崇められ続けていきた証拠です。
もちろん、記録の中には正確な情報もあればいい加減なものもあります。
なにしろ、人気抜群の英雄なので、あることないこと、色々飾られている可能性が高いでしょう。
その点は、十分な注意が必要となります。
しかし、だからと言って、すべてを架空のできごとと解釈するのも、間違っている。最近の歴史研究では、いかにも嘘っぽい伝説や物語の中にも、そういうかたちでなんとかして昔の人々が後世の人々に伝えようとした「真実」がある、そう考える立場が有力になっている。
いいかえれば、「忠実」では伝えられない重要な情報が、伝説や物語の形で伝達されている場合がたくさんあるということです。
これらの点に配慮しながら、今後は、役行者の生涯を検証していこうとおもいます。



(今日は『はじめての修験道』を参考に、文をそのまま用いたり、形を変えたりしながら文を作りました。)





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最終更新日  2005年12月14日 14時25分50秒
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