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カテゴリ:つぶやき
添乗員時代からの友達夫婦に会ってきた。
どうしても、確かめたいことがあって。 この2人は、私と、元夫の共通のお仲間。 私と彼とは、別々の道を行くことになったけれど、じっと見守ってくれた。 で、元夫は、この夏に再婚したのだが、その結婚式にも友達は参加したと聞いていた。 実は、私は、再婚相手の事を元夫にきちんと訊ねていなかった。 心の中では、もしかして、あの人かな?という推測をしていたけれど、 そして、元夫の言葉から、おそらくそうであろうなと確信していたけれど、 まだ、どこかで、真実と言うか、現実をみたくない自分がいて。 *************************************** 秋のはじめに、私と元夫は、数年ぶりにまともな会話をしたのだ。 自分で言うのもなんだが、私は別れ方がキレイなのだ。 もう、別れると決めたら、いっさい、何もきかない、言わない。ごねるなんて、あり得ない。 感情を凍らせて、理性だけで、相手に向き合って最後の日を迎えた。 ウーの面会の際にも、さらっと近況報告を伝えて、即、ウーを預けて私は帰るというパターン。 一人になって、もうすぐ3年。 私は、この夏に、久しぶりに(実に18年ぶり!)誰かを好きになり、そして失恋し、 自分の中にも、まだ感情というものが残っているんだと気づけた。 と、同時に、元夫と過ごした過去の日々にも、純粋に感謝の気持ちを持てるようになったのだ。 先の面会日に、私は彼に「話をしたいの」と告げた。 意外にも、彼は表情を明るくして応じてくれて、私たちは、穏やかに会話をした。 「私は、あなたにありがとうって言わなきゃいけないと思ったの。こんな展開になったけれど、ウーを授かったこと、ちゃんと楽しかった日々も存在したのだということ、やっと私自身の人生を取り戻したことに、感謝してる」 彼は、かつて私を魅了した笑顔で、応えた。 「僕こそ、心から謝らないといけない。本当にあなたを傷つけたことを」 「知らなかったらよかったと、思った時もあったけど、それは無理だった。私はあまりにも敏感に色んな事に気づく性質だったから」 「あなたに甘えすぎてたんですよ。少しよそ見をしても、帰っていきさえすれば許してもらえるものだとね」 「私は、あなたを縛り付けないようにしてきたわね。でも、それは、信じていたからよ」 「本当に、許してもらえないとは思わなかったから」 「残念だったわね。それに、別れる原因になった時には、私がふられたのよ。好きな人ができたといって」 コーヒーカップをお皿に置いて、彼は言った。 「実は、再婚した」 「そう、おめでとう!」よく、そんな言葉がさらっと出せたなあと思う。 いったん出たら、もう、転がるように彼への祝福と激励が口から飛び出していた。 言いながら、涙があふれて、また傷口がパカッと開いた。 でも、彼への未練じゃない。 選ばれなかった過去の自分への自己憐憫と、選ばれた彼女への嫉妬だ。 「あなたは、筋を通したわけね、なら、いいわ。そうでないなら別れた意味がないもの」 単なる不倫じゃなかったということ。 本気の恋愛だったということ。 私はともかく、子どもと別れても手にしたかった未来があったということ。 正直な人なんだわ。 *************************************** 友達にも、訊かれた。 「なんで、ごねたりせえへんかったん?」と。 「だって、心変わりした人に、何ていうの?私を捨てないでって?」と私。 「やっぱりね、ヤンスカさんはそういう人やね」 「うん。愛情がないのに、傍にいてなんて、あまりにもひどすぎるもん」 「世の中には、でも、形だけを懸命に守る夫婦も多いよ」 「私は、そんなの無理。寂しすぎる」 そう。私は自分が愛されているんだという(それが錯覚だとしても)実感があれば、 他の事などなにも望まなかったのに。 その、一番自分が大切にしているものを失って、とってもきつかったあの頃。 ま、そんなわけで、今になって、友達に質問できるようになった。 「ねえ、あの人の奥さんて、下の名前、○さん?」 「そう」と、嘘をつかずに答えてくれた。 ついでに、私はまだ、解けていなかった過去の問題を解くことにした。 「もしかして、あの時に、彼は○さんと会っていたでしょう?」 正解。ああ、やっぱりね。 苦笑するしかないけど、いまさら。 なんだか、本当にスッキリした。ホッとした。 ごまかさないでいてくれた友達にも、感謝してる。 まあ、私の性格を知ってくれてるからだろう。 友達奥さんの方に、 「どうして、そんな風に許せるの?」と訊かれた。 だって、遊びじゃなかったと判ったからよ。 人生を賭けて、一緒になりたいと思った女性と歩く決意をしたんだから。 ある意味、誠実なオトコだったというわけね。 再婚宣言を聴いた日から、私の中で、彼は急速に過去の人になっていった。 答え合わせが済んでから、もう、完璧に過去の人になったわ。 どうでもいい。 帰り道、私はサンバを口ずさみながら夜道を進んだ。 さあ、自分。今、とってもニュートラルモードやん。 いらん荷物は捨てて行こう!大事なものだけ、持って行こう! そして、何度か書いた、他界した学生時代の友達てっちゃまのお墓参りに やっと行こうと思えるようになり、実行すると決めたので、 「私、ちゃんと訣別できたで」と報告したいと思う。 26年もの間、てっちゃまの事に関しては、冷静に考えられなかった。 お葬式の記憶がないのも、そう。 で、20歳の私の誕生日が、お葬式だったから、 私は、ずっと自分の誕生日を、どこか悲しい気持ちで過ごしてきた。 こんなに生き延びてしまったのに、てっちゃまに対して恥ずかしい人生だ!と。 もう、辞める。 今年は、自分の誕生日を、しっかり祝おう。 私が、勝手に彼を封じ込めて、泣いていただけ。 てっちゃま、いったん、あなたともお別れをしましょう。 本当は、あなたこそ、それを望んでいたかもしれない。 だから、私の心を変えさせたのかもね。 さようなら、過去の私。かわいそうだと思い込んでいた私。 今、私はあなた達=私達を、ひとりひとり、抱きしめてるわよ。 あの頃には、未来の私が笑って待っているなんて思えなかったでしょ? でも、やっと、そんな時がきたのよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.11.04 08:00:11
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