テーマ:☆詩を書きましょう☆(8466)
カテゴリ:詩
幻の世界 それは一瞬の幻だったのだろうか
正月の空に 放物線を描いて舞う羽根 母親手作りの着物着て 羽根付きに興じる娘や子どもたち 甲高い声と羽根の音が路地裏に木霊した
ときには花いちもんめのわらべうた 石けり 縄跳び 陣取り 木の門構えの陰から琴の音流れ 木の塀に囲まれた人形遣いの家から太棹の音流れ 子供たちの声と奏でる協奏曲は 護国寺の鐘が鳴り 「ご飯だよー」の声がかかるまで続いた
ある日 お琴のお師匠さんの家も 人形遣いの家も建物疎開で取り壊され 戦火を防ぐための空き地になった
路地は無くなってしまった 思い出に満ちた遊びの情景は 崩れ落ちる土気色の埃の中に 幻となって消えていった
ある夜 焼夷弾の炎に包まれ 空き地の南の街は燃え尽き 子どもたちが棲む北の街は 奇跡的に焼け残った
これは現在の写真ですが、木造の家が並ぶ狭い路地でした。夕焼け雲が浮かぶまで遊んでいました。前掲の詩を手直ししました。
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