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2006.02.15
カテゴリ：石塚運昇リーディング公演日誌
 ここでも何度か告知してきたリーディング公演 先日12日に無事幕を降ろしたわけだが・・・ 上演作品の『風の通る場所』と言うミステリードラマ その内容は、ご来場V.I.Pの モとゐしゃん うさとら119さん ラクテンジョゼさんらが 粗筋を書いてくだすっておるので 作品に興味がございましたら、ご一読頂ければと・・・ で、この作品 現代社会において、女性が抱える些細な問題が 巡りめぐって、おかしな展開に堕ちて行っちまう話なんやが・・・ 誰にも起こりうる些細な問題なだけに その辺、聞き手が話しにのめりこんで頂ければ ぞくっとくるのではなかろうかと・・・ そんな思いで演じきったキャスト陣である で、吾は舞台上にいる6人の女性の中で 唯一、正気の役どころ 設計事務所の女社長・元子を演じたのだが・・・ 前作ヘカテイ役と違って、キーマンではなく ドラマ全体を、正気で聞いている聞き手と一緒になって わかりやすく聞き手に届ける裏方のような役どころであった 吾にとっては、正直おもろくない役どころであった ドラマを面白く展開したくても 吾の役は、目立ってはいかんのだ・・・ 自分でどうにかしてはいかん役なのだ キーマンとなる他の5人の女性が、それぞれに際立ってくれないと・・・ 稽古中は、その葛藤で苦しんだ 何度もキャスト陣と、それぞれの女性の置かれてる立場や 葛藤・悩み、そこからどんな感情が沸き上がるか・・・ 試行錯誤のディスカッションを積み重ね ようやっと本番にこじつけた芝居であった たった一回の本番・・・やり直しは出来ん・・・ 笑いで誤魔化せない分、失敗は許されない キャスト陣、それぞれいい意味での緊張感に包まれながら 周りのスタッフにも全面的にバックアップを頂きながら たった一度の本番を、無事に演じきれたこと 本当に、安堵の思いでいっぱいだ・・・ さて、その元子から・・・ メッセージ性のある台詞が吾は好きだ 前作ヘカテイ役にはそんな台詞がたくさん散りばめられていて 演じる吾も、気合が入ったもんだ だが、裏方役の元子にはそういう台詞がなく・・・ そんな役柄にあって、唯一、吾が気を込めたかった台詞が 実は、たった一言だけあったのである 『むすめだから』 この6文字に、稽古の日々の全てを懸けていた 部下から『どうして愛ちゃん（バイトの子）一人が 母親（認知症）を看なければならないのか』と 問いただされる元子の答えが『むすめだから』の一言なのだ 吾も、親の介護が気になる年頃に差し掛かってきた な、だけに・・・ この、むすめだからって理由ひとつで 父親からも兄からも、救いの手は差し伸べられることは無く 全て【むすめだから】で面倒を押し付けられ 狂っていく愛・・・ 部下であるそんな愛を見つめる元子の感情を思う時 吾は、自分の感情がどうしてもそこにダブってくる・・・ 介護・・・ 一人の手にはおえんものではないかのう・・・ ましてや、今の吾には到底無理な話だ 自分とこの生活で精一杯である・・・ 親が達者でいてくれる・・・ただそれだけで しみじみ有難く感じる今日この頃・・・ なんもいらん・・・ ただ、手を煩わされること無く、親が自立していてくれたら それだけで充分だと・・・ 毎朝、音沙汰のない日を迎えられることに 言い知れぬ安堵と幸せを感じるのである そんな吾にとって・・・ 元子の『むすめだから』と言う6文字は 舞台から降りた今でも 胸の奥に、クサビの様に刺さったままである・・・ 【2005年の14日】 【2005年の今日】 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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ドーナツ党首@
