テーマ:お葬式あれこれ(41)
カテゴリ:お葬式
今日はぁ・・・いちんちクロスケ稼業であった。 留守中、何やらお初訪問の方がこのとはずに道をつけてくれましてな その日記が、【謝辞の文面】というタイトルでして・・・ で、なんや久し振りに葬儀日誌を書いてみたくなりましたん 思えば、とはずの看板カテゴリである葬儀日誌 今年はこれが初やなぁ・・・ 本来は、49日を待ってから 気になったご葬儀を、故人の供養を兼ねて ぽっつら語らせていただいておるんやが・・・ なんや、今日はいきなり今日の内に書き留めておきたくなりましたん 49日まで待たずに、今すぐ語ってもお許し頂けるであろう話やからね 故人は92歳 大正生まれの女性だ お花が大好きな方でなぁ・・・ 祭壇は色とりどりに春の香芳しい花々で埋め尽くされた 7人兄弟の末娘で、兄弟は皆90歳を軽く越し 見事なご生涯を全うされた長寿の家系 末娘の故人は、ご主人とご兄弟が待つ御仏の国へと 安心して旅立たれる事であろう 喪主はご長男 僅か18日間、寝たきりになっただけ 最後まで命を輝かせ、静かに息を引き取られた母を 誇らしげに偲んでおいでだった 出棺前の遺族代表挨拶は、この喪主から謝辞が述べられたのだが・・・ この挨拶が、とってもタイムリーで素敵だったので 今日は、とにかくご紹介したい 『 母は、海軍上がりの厳格で実直、頑固な父に従順に従い 慣れない農作業に従事しながら 私たち4人の子供には、決して声を荒げることはなく 常に優しくおおらかに見守ってくれました。 花を愛し、多くの方と親交を交わしながら 最後まで生き生きと暮らしてきた母の人生は見事だったと思います 私も母を見習い、母のように元気で長生きをして行かねばと思います 折りしもつい先日までトリノオリンピックで賑わっておりましたが 世界の頂点に立ち、金メダルを取ることは容易な事ではありません 人の一生もまた、90歳まで元気で生き生きと暮らしていけるという事は 金メダルに値するほど、とても素晴らしいことだと思います 母の寿命を元気に迎えることが私の大きな目標となりました そんな母に、私は人生の金メダルをあげたいと思います 今まで本当にお疲れさん、ありがとう 』 なんて染み入る謝辞であろう・・・ この母にしてこの息子あり・・・ 参列者の心を豊かにし、そして未来に向けて 生き抜く意欲すら沸き立つような、謝辞であった 葬儀はたいてい急な事だし、ましてや悲しみにとらわれていては ダレもが気のきいた挨拶が出来るものではなく・・・ だからね、今は葬儀社に相談すれば、遺族代表挨拶の雛形が ちゃんと用意されてありますねん 葬儀社にしてみれば、出棺時刻に追われたお式の時などは 会葬御礼の挨拶は極力短い方が助かるわけで・・・ で、この文面でと、葬儀社から進めちまうくらいや それこそ一晩で暗記できるぐらいの簡単な文面である それで充分格好はつくものではあるし ましてやダラダラと辛い闘病生活なんぞを延々と聞かされたり 意味のない長ったらしい挨拶は全く聞くにたえない 出棺時刻が迫っておると、不謹慎ではあるが もうマイクの電源をきっちまいたくなるほどや (*_*)ピヨピヨ だがなぁ、今日のような喪主挨拶を聞いちまうとね 思わずウ~ンと唸っちまうのう 簡潔に、見事にそぎ落とされた極上の言葉の数々 僅かな文面ではあるものの、温かい思いに溢れた謝辞であった どんな名句を司会が述べてみたところで この挨拶にはかなわんね・・・ 心を尽くして送るという意志のあらわれではなかろうか・・・ 故人の生涯を、しっかりと見届けてきたものが会得できる 極上の謝辞に、吾も思わず胸を熱くしたのであった さてさて、そんなこんなで、明日も葬儀司会やねん 明日は63歳の男性 突然の心不全だそうや・・・ ご遺族は、まだ故人の死を認められないご様子・・・ 打ち合わせ中も、感情が停止しちまってるような・・・ で、通夜の今日は、『千の風』を朗読させていただいた 僅かに涙を流せた事で、明日は悔いなく送るという事を 認識していただけただろうか・・・ 挨拶はご長男 『僕がつとめます』と真っ直ぐに言い切った顔つきに 父への最後の孝行をせねばという意志が感じられた 明日へと期待をつなぎながら・・・ それでは今日はこの辺で ゴキゲンヨウ (*^_^*) 完:2006.03.03 22:04:38 【2005年の2日1件目】 【2005年の2日2件目】 【2005年の今日1件目】 【2005年の今日2件目】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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