テーマ:お葬式あれこれ(41)
カテゴリ:お葬式
5月2日 39週時、1898グラムで誕生した女の子は 心室中隔欠損症であった 一度も、保育器から外に出ることなく 一度も、両親の胸に抱かれることなく 一度も、母乳の味を知ることなく 一度も、大声で泣くこともなく・・・ 2ヶ月と27日 口は管で塞がれたまま 去る7月29日 女の子の小さなハートは力尽きてしまった されど無意味な命は一つもない この子は、2ヶ月と27日で この世に、何かの使命を果たしきったのだ そうして、永遠の眠りについただけのこと 今は、苦しみのない、安らかな心持であられるのだ 女の子は光の妖精になり、大空を駆け回っているだろう そのことに、家族が一日も早く気付かれんことを ただただ祈ることしかできない吾なれば・・・ 何一つ思い出を綴ることができなかった両親に贈りたくて 今日もまた、金子みすずの『花のたましい』を朗読する 霊柩車へのご上棺が パパとママがして上げられる最初で最後の務めであった せつないのう・・・ だけんど、しっかり生きていかなくちゃのう・・・ 苦しい姿しかない女の子、写真も数少なくて 管が口に入ったものしかなくて・・・ その管を画像処理で消去・修正して どうにか遺影をこしらえることができた 目はつむったままのご遺影 その目は一度も開けられることなく・・・ 命の尊さ、その重みを、無言のメッセとして残し 役割を果たした小さな命は 夏の陽射しの中に溶けて逝きました *** 合掌 *** 【撮影:nonka510さん】 2005年の今日1 2005年の今日2 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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