テーマ:表現者、集まれ~(263)
カテゴリ:語り日記
さぁて、つづきを待って、わざわざお出まし頂きありがとうでござる ささ、ご随意にどこでもちゃんこと据わりなっせ (*^-^) お初においでの方はのう、宜しかったら 壱ノ巻からどんぞ~♪ 【撮影:しっぽ2さん】 こんな↑お家の縁側で、ぽっつら婆さの昔話を聞いている・・・ 暑気払いにもならんじゃろが この夏、里帰り出来んで寂しい日々を送っておる方々に ノスタルジーな気分を、ほんの少しでも味わっていただけたらと・・・ 吾が懇意にさせて頂いておる V.I.P筍殿 が編纂した熊野の里の民話をひとつ語りまひょ 『 大酒飲みのとんがらし医者・弐ノ巻 』の、はじまりはじまり~♪ *いつものように下記下線のタイトルをポチッとしていただくと、語りが再生されまする* ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆♪☆.。.:*・゚☆♪☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆ 【大酒飲みのとんがらし医者・弐ノ巻】 ここを↑ポチッとしてにゃぁ~ (音声聞こえんかったら、PCのボリューム上げてくんろ~) さあて、物置診療所の噂はあっという間に広まり 近郷近在だけではのうて、どえらいとわいところからも来るは来るはの大賑わい。 瘧(今でいうマラリア)あおたん(打身の青痣)中気にぴっぴ(下痢のこと) こぶらがえりやめばちこまでも、なんでもかでも治したんじゃと。 大助かりの村の衆は 「せんせ、どうぞいつまでもこの里で皆の衆を看ちゃってくれろ。 どっこも行かんと此処でずっとこせ、おっちゃって。 せんせ、いんだら、ほとくない(心細い)」 とまぁ、総出でせんせを引き止めたんじゃと。 「そうか、それならひとつ条件じゃ。診察代の払えぬご仁は どぶろくちっとと、とんがらし一握りを持って来い。さすればちゃんと診てしんぜる」 村人とこんな取り決め交わしたこの医者の名は【 瀧 文貞 】 実は、伊予宇和島藩の御典医だったんじゃぁ。 三度の飯より酒好きで、おまけに酒癖やにこう(非常に)悪い。 伊予の殿さん怒ってしもて、御典医かく首になったんじゃと。 「てきゃ(あのひと)のう、わえくちゃじゃあ。 毎日、毎日、明るいうちから酔いさらして、とんがらしを肴にして 股ぐらに濁酒抱えて、茶碗酒やぞい」 「そんくらいこた、しやないわ。なんし、腕がええんじゃからのう。 殿さん診とっただけのことはあるでよ。」 「ああ見えてものう、がいにかえらしとこもあるでよう。 このまえなんぞ、おしま婆が亡うなったときにゃ、涙ぽろぽろ流して泣いとったげな」 村の衆の噂話も大賑わいじゃが、文貞せんせも、今日も朝から大忙し。 「どないしたんじゃ。なに、しんどうがこわいてか。腹もにやにやするってか? 心配せんでええ。まだ死にゃせんで。 もちっと寿命はあるじゃろて、みんな死ぬんじゃ、じたばたすんな 慌てんでもちゃんと儂が死なせちゃる」 せんせの評判はあっという間に山を五つも六つも越えた海岸べりまで鳴り響いたと。 平井川の集落は来る日も来る日も 他所からやってくる患者で溢れかえっとったげな。 でものう、貧しいもんばっかが多かったんでの、大して儲かりはせんかったげな。 みんな診察代の替わりといっては濁酒ちっとと、とんがらし一握りを置いていくだけ。 それもその日に飲んでしもて。文貞せんせの周りはのう、まるで造り酒屋のように いっつも酒の匂いでむせかえるようじゃった。 飲んだせんせにゃ、だあれも近づけん。 酒癖の悪いことといったら、あたけるわ(暴れる)ろくでるわ(ひねくれる) ひどいもんじゃぁ・・・ あるときなんざ、寺のおっさんをはったかして(はり倒して) おっさんのかしらいがんで(歪む)しもた。 でものう、わえくちゃじゃけど、おもしゃいし、かえらし、憎めんお人じゃったげな。 文貞せんせは、患者診るのが好きなんじゃ、病気治すんが天職じゃと云うてのう よう働いたんじゃと。 だが、ある冬の晩・・・ で、つづく・・・ 2005年の9日は長崎の日記1 2005年の長崎の日記2 2005年の今日は開設200日目だった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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