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    弥々*とはず語り   

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2006.09.03
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なんせ、吾がやたらエロを連呼し過ぎたせいか
皆様の想像を、大きく覆しちまったようで・・・

まぁ、それもある意味狙いではあったがなぁ・・・
公演情報の始めの方では、エロ色がどうしても前面に出すぎたせいか
吾のお客様方は、皆こぞって吾が単なるエロババァかと思っておられた様で
観劇後は、意外にも品があり賢い女性って感じでビックリ!
なるお声を頂戴しましたん

そうかぁ・・・品があったかぁ・・・ f(´-`;)ポリポリ
いやね、そこは吾の狙いでしたん

煮えたぎるパッションの中にも、抑圧された中から滲み出る品格
地べたを這いずり回って、苦渋を舐め尽して生きながらえてきたとしても
自らを卑下することなく、人の道を全うする強い女性がポンシア
なのだ

地べたもんの、土壇場での強さ
どんなに追い込まれても、どうにかなるさ!とやり飛ばせるタフさ
その辺は、エロティックな台詞をはく時に
ガハハと低音のだみ声にドスを聞かせて表現した
だが、これは意外と簡単なことであり・・・
(誰だ、芝居することなく、まんまやればええもんなって言うのはぁ!!)

吾が、今回このポンシアという役で一番試行錯誤した点は
この女性の持つ、気高き品位なのであった

たまたま亡き母親が、売春婦であっただけで
幼馴染(だったのではと勝手に決め付けて)のベルナルダとは
主従の関係を強いられ、全く正反対の人生を歩まなければならなかったポンシア

けれど、主人であり幼馴染(?)でもあるベルナルダのことを心底憎みきれずに
事あるごとに、主人の前に立ちはだかり
召使でありながら、時にベルナルダの姉のような存在で
物事の道理を諭し導こうと、主人に立ち向って、時には暴言も吐きまくる

ベルナルダとの口げんかのようなシーンでは、闘牛をイメージしてのやり取りをと
演出からのお達しであり・・・
だけど時に幼子の喧嘩のような茶目っ気な面も、ちらほら醸し出しながらの駆け引き
これは、吾一人で創り上げるものではなく
相方のベルナルダの出方あってのことであり・・・

吾よりも更に小柄なベルナルダ役の奈美さんは
その華奢な体のどこにそんなパワーがあるのかと思うほどの発声で
更には、身体全体で、音声表現の足りない点を補いながらの熱演だ
だが、吾はあくまでもリーディングにこだわり
視覚表現は、顔の表情と目つき(視線)のみの最低限の表現に
敢えて押し留めたのだ

この表現の対比によって
熱情的で、娘達に歪んだ愛情を押し付ける愚かなベルナルダの哀しみと
たまたま雇われの身と成り下がっただけの、気高きポンシアの必死の導きを
表現できたらと思っておりましたん
リーディングなら、本来は音声表現だけでなしえるべきだがのう・・・(*_*)ピヨピヨ
その点は、今後の課題である

なんにしても嬉しい事に、その辺の思惑がお客様にも伝わっていたようで
アンケートには、視覚効果も楽しみたい派の芝居慣れした客層は
ベルナルダ役の奈美さんを絶賛!
だが、あくまでもリーディングにこだわる客層は
吾の抑えた表現の中に、作品の中におけるポンシアの
リード的立場を感じ取って頂いたお声も多数頂き、嬉しかったぁ!

この作品は、単なるエロではないのだ
公演直前には、その辺のこと、ちらほらと稽古日誌には書き止めたつもりだが・・・

ベルナルダの、歪んだ絶対的な娘達への愛情は
家族の血の絆をも破壊し、憎悪の塊となって
救いようのない悲劇の結末に、一気になだれ込んでいくストーリー

さすが、スペインで名のあるロルカの作品である
アンケートも、後半の劇的な展開に引き込まれたと言う声が、多数寄せられた

末娘のアデーラが、どんどんと色香の毒に溺れて
エロティックに変貌するあたりも、この作品の聞かせどころ

狂ったことをわめきながらも、突然、正気になって
ベルナルダの悪をついてくる、祖母の存在も要だ
ポンシアが、ベルナルダに諭したい思いを、実はこの祖母の台詞が表しているのだ
祖母が虚ろな傍白をはいてる時に、吾の表情を見ていた方はおらんかのう
吾は、この時の表情に台詞で出し切れないポンシアの思いを浮かべてましたん
笑みとも泣き顔ともいえない
絶望感から湧き上がる僅かな希望への期待感にも似た表情

祖母が権威を振るっていた時代、この家はきっと今より穏かなものだったろう・・・

ポンシアの思いを、祖母の台詞に投影させるあたり・・・
この辺の台詞の絡ませ方が、さすがロルカの作品だなぁって思った
なだけに、大変に難しい作品であった

大体、本を手に字面を追って確認できるキャスト陣でも
横文字でやたら長い名前の、たくさん出てくる登場人物の相関図を
一度で理解するのは無理なのに
これを、耳だけではじめて聞かされるお客様が
果たしてこの作品を堪能できるのか・・・

これは、聞く側のテクニックも要求される作品でもあると思った
キャストは、複雑に絡んだ登場人物の
それぞれのキャラを浮き立たせなければならないが
聞き手は、どんだけ登場人物が複雑に絡んで出てきたとしても
この作品の根底である
ベルナルダ・アルバの歪んだ愛情が巻き起こす悲劇の顛末
野次馬根性丸出しで、作品の中に一緒に入り込み
ワクワクしながら堪能して下さればええのではないかと・・・

その辺、聞き手側のテクニックがあるかないかで
アンケートの感想も、大きく二分する面はあった

ストーリーを理解することのみに集中しがちな方には
なんともしんどい作品だったかと・・・

スペインの封鎖的な田舎の一軒家で
女だけがそれぞれの思惑で繰り広げる情念と憎悪の悲劇を
どうなるんだぁ~って楽しんで頂けたとしたら
この作品を、ある程度忠実に表現できたのではと思う

『最初は登場人物を追うだけでお手上げだったが
段々と、ベルナルダの家の中を覗き込むような感じで
引き込まれていった』

『最後に、あんな結末になるなんて・・・
ドラマティックな迫力ある展開に、ドキドキしました』


なる、好評を寄せていただけたこと、キャスト一同、嬉しく受止めましたん
アンケートを書いて頂けることは、お客さんに多大なご負担を強いるものではあるが
そのお声が、吾らを育てる肥しとなりまする
いただいた、苦言もお褒めの言葉も、全てしっかり噛み締めて、噛み砕いて
今後の歩みにいかしていきまする

最後に、不手際多々あった中にも関らず、一筆したためてくだすった皆様
貴重なお時間を、銀座の一角までお運び頂いたお客様お一人お一人
裏方で、早朝から遅くまで支えてくだすった各スタッフ陣
本当にありがとうございました

人の寄り添う心根の温かさを、しみじみ堪能させて頂いた公演となりました

もう一度、心からの感謝を、ここに・・・

感謝


画:とはずおかかえアーティストmac玉



記:2006.09.04 16:49:37

後記vol.1【お詫びと感謝】 

とはず別館Goo-net編












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Last updated  2006.09.05 18:47:08
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 ドーナツ党首@ Re:3歳のぽっつら・・・『 知命 』 『 落ちこぼれ 』 (語り41)(01/22) おはようございます。どちらにコメントを…
 @弥々@ どこぞのさんへ どこぞのさんへ これまた、一昨年の台風…
 @弥々@ Yのトランクさんへ 気付くのが遅れてすみませぬ<(_ _)>…
 Yのトランク@ Re:長男坊の意地と親心(03/16) すみません。こちらから送信出来るのか分…
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