テーマ:お葬式あれこれ(41)
カテゴリ:お葬式
葬儀関連続きですんまへん <(_ _)> いえ、予想以上に皆様からの反響が寄せられたことに 勝手に、感動しちまいまして・・・ と、同時に、改めて襟を正しておるところでして・・・ 誰しもが避けて通れないセレモニー業界に従事するものとして 皆様からのお言葉を、大事に受止めなければと・・・ 興味を向けて頂けた折に、こんなことも記しておこうかなって思いまして・・・ えっと・・・自己満足日誌ですねん・・・スルーして頂いても構いませぬ 1年前のことでした・・・ 【画:宇田川民生氏】 故人は57歳の男性、急死である 喪主は奥様 一人娘との3人家族 娘さんの悲しみは深すぎて、怒りのような感情すら表れており 打合せをしていても、吾の問いかけをうっとうしいと思われちまうほど・・・ こんな事は初めてだ・・・ 故人のことを聞かせて頂きたいのだが そういう事よりも、焼香のマナーとか、立礼の立ち位置 お寺さんへの挨拶など、吾からすれば そんなこと!ってなことに、がんじがらめになっちまってて・・・ そういう儀礼をしっかり務めることで カナシミの沼に溺れちまうのを 必死に踏ん張っておられるのはわかるのだが・・・ カナシイノウ・・・ 故人は、元気に仕事に打ち込まれていたようだが 時折、体調が優れず、念の為にと病院で受診したところ 異常が発覚し、検査入院をなさったのだが・・・ 僅か3日で、検査結果もわからぬうちに かえらぬ人となってしまったそうだ・・・ ご長女は留学中の身の上だったようで お母様の傍にいて上げられなかったこと お父様と言葉を交わすことが出来ぬまま、充分に看病も出来ぬままに 突然訪れた永遠の別れに、自分自身を責めておいでのようだった いきなりお父様を奪われてしまって その悲しみを、どこかにぶつけなければ いたたまれないお嬢様の気持ち・・・ 遺族の苛立ちが 吾等セレモニースタッフにぶつけられる事は、多々あること・・・ だがお若い方だけに、この時はきつかったなぁ・・・ 喪主様(奥様)は、その真逆で、悲しすぎてハイテンション 傍目には浮かれて見えるほどである・・・ ご主人の思い出話がセキをきった様に溢れ 吾は、ただただそのお話を聞くことで 少しでも奥様のお心が安らげばと、無言で聞き役に徹していても お嬢様が、その話を遮ってしまう・・・ 挙句にはきつい一言 『他人に、とやかく言われたくないので』 ショックだったなぁ・・・ まぁ、お嬢様のお気持を察すれば無理もないがのう・・・ 心がぎゅうぎゅうに締め上げられたまま、お別れを迎えるご長女が 吾には、カナシスギタ・・・可哀想でならなかった・・・ だからこそ、細心の注意を払って粛々と進行に徹しなければ・・・ だが、例えお叱りを受けようとも このお嬢様のカタクナなお心を少しでも解きほぐし 最愛の父との最期の時を、一瞬でも優しい思いを取り戻して送れるように・・・ お嬢様には遮断されたナレーションではあるが なんとか吾なりに、思いを傾けたいと思った 奥様から伺ったエピソードは・・・ 『故人はISO国際システムY審査員の資格を取得されたとき 一番に、その喜びを娘さんにメールで報告なさっていたこと・・・』 『娘さんの留学を、事あるごとに親戚一同に自慢していたこと』 『何があっても、娘は留学の経験をいかして社会に貢献していくだろうと 口癖のようにおっしゃっていたこと』 どれひとつとっても、故人がいかに一人娘を慈しんでおられたかが 偲ばれるお話だった だからこそ、お嬢様としては、そういう話をされるのが 自責の思いでいっぱいになり、たまらないのだろう だから、吾は、そういう話には触れずに お嬢様が生まれる前のお父様の輝かしい思い出や お父様の仕事に対する立派な姿勢や 何より、お母様を愛され、その元にお嬢様を授かったこと そのお嬢様を、何より誇りに思う父親の気持を 通夜の開式前にそっと触れさせていただいた 思いが通じただろうか・・・ 一夜明けて葬儀の日には、お嬢様から色々とお話を持ちかけて下さるようになり・・・ その日も僅かに伺ったエピソードをご紹介させて頂いた お怒りを受けないようにと、後ろ手に組んで、当たり障りもなく粛々と・・・ それでお式は充分成り立つものだが、それでいいのか・・・ それでは、このお嬢様は、この先いつまでも後悔の念を引きずったまま 暮らしていかねばならぬだろう・・・ そうして故人もまた、優しい娘が怒りとカナシミで凝り固まっていたら 安心して成仏できんやろが・・・ 残されたこの母娘に 二度とない、ただ一度のお別れの時が 大事に胸に刻まれますように・・・ 吾が念じ上げるのは、その事ひとつであった お棺を閉じようとするのだが、ご主人から離れられない奥様・・・ この母娘の真のカナシミは これから先、もっと深くなるであろう・・・ だからこそ、せめてお別れの式だけでも 悔いなくお送りすることが出来たら その事で、この後の立ち直りに少しでも支えになれば・・・ 吾はそういう思いで、遺族の話に耳を傾けておりまする 伺った話を、まんま馬鹿正直にナレーションをすればええってものではない 心を傾けなければ、遺族の本当の思いは汲み取れないのだ 相手は、機械ではなく、心だから・・・ あれから1年・・・どんな思いで一周忌を迎えられたことかのう・・・ 今でも気になる母娘である 都市部では、核家族化も進み、住宅事情も厳しく ご近所づきあいも疎遠になっていくばかりで セレモニーホールでのご葬儀が主流になりつつありまする 吾の住まう小さな田舎町でも、ホール葬が珍しくなくなってきた 一昔前なら、ご近所さんが寄り集まって 親しき人との語らい溢れるお別れだったものだが そういう事も、近年難しくなってきた 遺族は、カナシミに溺れて孤立しちまいがちである その逆も然りで、敢えてご近所や、世間のしがらみから開放されたくて こっそり遠くのホールにて、家族葬をと望まれる葬家もありまする 葬儀関係者は、多様化してきた葬家のニーズを改めて認識し 時代に即したセレモニーのあり方を、見つめなおす時期ではなかろうか 一般的には、決まり文句だけで、文言の少ない葬儀司会が 司会の中では一番簡単だと思われがちだが・・・ クロスケ(葬儀専門司会者)自身が、そう認識してるとしたら 大きな勘違いもいいところであると、吾は声を大にして言いたい! まだまだ駆け出しの身の上・・・ ベテランさんの専門知識には叶わなくても 心がけでは、引け目を感じるもんかぁ!!! 結びに・・・ 愛しき方を送る時、くれぐれも悪徳業者にはお気をつけあれ! 悩んじまったら、こちらをご参照くだせーまし! 2006年の今日は読んでよ聞いてよvol36【号令】 2006年の15日は『むすめだから』 弥々*とはず語り・語りBar では いつでもお気軽に、語り音声日記が楽しめまする どんぞお気軽に、お立ち寄り下せーまし とはず別館Goo-net編 も地味に更新中! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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