テーマ:お葬式あれこれ(41)
カテゴリ:お葬式
5月以来、久し振りにしたためよう・・・ 故人は65歳・男性 生涯、独身だったのか? 喪主は実妹であり・・・ 3年前の母上の葬儀に、喪主を務められたのが、故人であり・・・ その時は盛大に、母の見送りを務めた故人であった その事が、妹には重責として、のしかかっておるのだろうか・・・ 親族12名 会葬者4名の静かなお別れ・・・弔電も無く・・・ 『サビシイねぇ・・・母の時は大勢来てくれたのに・・・』 ポツリこぼされる喪主であった とうとう、言い知れぬカナシミに囚われちまったのか・・・ 初七日法要に入った途端、嗚咽をあげて泣き崩れる喪主・・・ 焼香をなされた後も、しばし香炉前から動く事も出来ず・・・ 童女のような喪主の嗚咽・・・ 兄を慕う幼い妹そのものであった・・・ 震える喪主の背中が、参列者の涙を誘う その嗚咽に混じって、元気な男子の声 『お化けがでるのぉ?オレ、こわくないゾー!』 安堵の笑みもこぼれる 小柄な体格に、溢れるほどの大きくて広い懐・・・ そんな故人との語らいを楽しみに 親しいお仲間が、行きつけの店で飲み明かす お店のママの話には・・・ 『上機嫌な時はね、決まって小林旭の唄を歌うのよ カラオケも上手だったわぁ・・・ 楽しいお酒を飲む人だったぁ・・・』 故人にとって、母を見送った家で独り過ごす時間は どんなものだったのだろう・・・ 気の合う仲間と賑やかに飲み明かす故人の笑顔・笑い声・・・ 今生での最後のひとときに蘇らせたくて・・・ 献奏曲は故人の十八番で、小林旭の『自動車唱歌』が演奏された サビシクナンカない! 故人らしい賑やかなええお式だったと思って欲しくて・・・ 自らを責めてる喪主に、穏かなサヨナラのひと時を満喫して欲しくて・・・ 吾、思わず手を打ってしまった・・・ 手拍子をしたくてたまらなくなっちまったのだ ホール担当者が慌てて吾の元に駆け寄る 制しようとする矢先・・・ 手拍子が・・・そこかしこから湧き上がり・・・ 無言で下がる担当者に、そっと詫びの会釈を送ると 故人の歌声が聞こえて来そうな気がした そういえば・・・あの時も・・・(点線2から下) 参列者から拍手が沸きあがったっけ・・・ 手拍子も拍手も、故人を讃えるものではあるが それはまた、重責に崩れそうな喪主をも救ってくれるものであり・・・ 最後のお別れ、棺を閉じる前に 『兄さん、ありがとう・・・ありがとうねぇ・・・』 何度も語りかける妹さんの姿に 参列者もまた、温かい気持ちを頂いた様な・・・ 【画:宇田川民生氏】 過去の葬儀日誌はカテゴリ【お葬式】からどんぞ~ 音声ブログ【弥々*語りBar】では、語り日記公開中! 別館gooブログ編【とばす語り】は弥々家の家族日記、更新中! どんぞお気軽に、お立ち寄り下せーまし お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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