カテゴリ:リウマチ治療
お陰様でたんこぶは腫れもひきました 治りかけなのか今度は左目の内側の辺りが少し青くなってきました。 来週は結婚式があるというのに困ったなあ まあ私の顔なんて誰も見ていないと思いますが(笑) 程度からいって化粧で隠せると思いますが、それまでに治ってくれることを祈ります
前回はたんこぶの話で終わってしまいました 今回はリウマチ講演会のお話をしたいと思います。
講演内容は、 「関節リウマチの関節外症状」 ということで北里大学医学部膠原病・感染内科の先生のお話でした。 今回はスライドと同じ手持ちの資料もいただきましたので、そこからご紹介したいと思います。
1 関節病変と関連した臨床症状 一般小関節が対称性に侵されることが多い 手指 ・・・ スワンネック変形、ボタン穴変形、尺側偏位、ムチランス変形 手関節 ・・・ 手根管症候群 膝 ・・・ 関節液の貯留 → Bakerのう腫 ※1 ※1 膝に貯留しきれなくなった関節液がふくらはぎに貯まる 足趾 ・・・ 外反母趾 、Cook-up toe変形 ※2 ※2 足の裏に骨が当たってタコができる 頸椎 ・・・ 環軸関節の亜脱臼
2 関節リウマチの関節外症状 (1)リウマチ結節 ・・ リウマチ患者の20%に出現、固いしこり 無痛性、機械的刺激を受けやすい部位(肘、指)に多い (2)眼 ・ ・ ・ ・ ・ 強膜炎、上強膜炎※3 、シェーグレン症候群 ※3 強膜(白目の部分)が薄くなり、充血する、穴が開くなどの障害が起きる (3)肺 ・ ・ ・ ・ ・ リウマチ結節、Caplun症候群(珪肺症との合併)、胸膜炎、 肺線維症 (4)皮膚、指趾 ・・・ 梗塞、壊死、潰瘍 (5)心 ・ ・ ・ ・ ・ 心膜炎、心筋梗塞 (6)神経 ・ ・ ・ ・ 多発性単神経炎(神経栄養血管の炎症) (7)その他 ・ ・ ・ アミロイドーシス(コントロールの悪いRAに合併する) → 腎不全などで死亡する場合が多い Felty症候群 → 白血球減少、脾腫
*悪性関節リウマチ:血管炎を伴うRA 、上記赤字の症状が特性 (補体の低下、免疫複合体高値、リウマトイド因子高値)
3 抗リウマチ薬の副作用としての関節外症状 (1)ブシラミン(リマチル)の副作用 過敏症状(発疹、皮膚の痒み等)、白血球減少、肝障害、 ネフローゼ症候群(尿蛋白等によるむくみ)、間質性肺炎
(2)ブシラミンによる無顆粒球症(白血球の減少) ・投与開始後1ヶ月前後での発症が多い ・感冒様症状(発熱、咽頭痛)が前駆症状として見られることが多い ・進行が急激である ・投与中止で徐々に回復する ・G-CSF使用時は顆粒球が増えすぎぬように十分注意する
(3)ブシラミンによる腎障害 ・投与開始後6ヶ月以内での発症例が多い ・用量依存性の傾向がある(メタルカプターゼでは用量依存性が証明されている) 1日300mgまでとされているが、用量が多い ・膜性腎症の組織像をとることが多い ・休薬で陰性化しない場合、プレドニゾロン30mg/日で完全に陰性化する
(4)ブシラミンによる腎障害の鑑別診断・アミロイドーシス ・活動性の高い関節リウマチに合併する傾向がある ・難治性の蛋白尿が持続し腎不全に至る ・胃十二指腸粘膜生検が診断に有用である ・治療はリウマチの活動性のコントロールにつきる → MTXを使わなくてもよいエンブレルによる治療など
(5)メトトレキサートの副作用 ・胃腸障害 ・肝障害(肺線維症) ・骨髄抑制 ・間質性肺炎・・・これだけは葉酸投与では予防できない、 100人とか200人に1人
4 まとめ ・関節リウマチの関節外症状の多くは、関節リウマチに起因した血管炎で起こる → 悪性関節リウマチ(厚生労働省特定疾患) ・関節リウマチの活動性が持続した場合、アミロイドーシスを起こし、腎不全に至る 場合がある → 一番怖い合併症、活動性のコントロールが急務 ・抗リウマチ薬の副作用でも関節リウマチの関節外症状と似た症状が起こりうる → 副作用のモニターのために定期的な血液・尿検査が必要
5 質疑応答 Q1.関節リウマチの遺伝性について A1.白血球の血液型によって、約4倍のリスクがあるといわれている。 また遺伝ではないが、喫煙者は約10倍のリスクがあることで近年注目されている Q2.MTXの長期服用について A2.長期使用による発ガン性の疾患性はないとされている。 逆に使用していることで寿命が延びているのされる。 ただ骨破壊を抑えるという問題からも生物学的製剤への注目がされている。
以上で~す 専門的なことも多くて難しかったです 私自身、プレドニゾロンとエンブレルしか使ってないものですから半分は口あんぐりでした(笑) スライドの中には、実際に患者さんの手足の潰瘍や壊疽、猿手などの画像もあって 顔を歪める場面もしばしばでした。 改めて、関節リウマチの怖さを思い知り何だか暗い気持ちにもなりました。 しかし、司会の先生も言っていましたが、こういった副作用や合併症をいかにして防ぐか ということが大切だと思います。 必要以上の知識を持つことも良し悪しですが、少なくても自分の使っている薬や 診療内容には関心を持ちたいと思います。 大切なのは信頼できる主治医の先生に巡り合うことだなあと講演を聴きながら 考えたpandaでした。 最後にこの講演にお誘いいただいたTさん、改めてありがとうございました
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Last updated
2007.11.04 13:39:37
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