テーマ:リウマチ(167)
カテゴリ:リウマチ治療
週末、皆さんはいかがお過ごしでしたか。 大変遅くなってしまいましたが、2日にあったリウマチの市民公開講座の 内容をアップしたいと思います。
今回のメインは、テレビ等でも有名な埼玉医大・竹内 勤先生の講演です。 内容は前回行った講演会と重複するところがあるかもしれません。 それでは、スタート
○リウマチの痛みの原因・・・リウマトイド炎症、破壊・変形による物質的要因、 腱筋肉の負荷増、心因性によるもの
○見た目の変形は、発症10-15年後。 痛みだけ抑えればよいのではなく、骨びらん・軟骨破壊を防ぐことが重要! →ステロイド、非ステロイド薬には症状(痛み)を止める即効性はあるが、 病気の進行(関節破壊を止める)を抑えるには抗リウマチ薬が必要である。
○抗リウマチ薬の使い方 ・リウマチと診断されたら速やかに開始する。 ・有効な薬を使う。(効かない薬は意味がない) ・症状、関節破壊のよりよいコントロールを目指す。 ・効果が十分でなければ変更・追加する。 炎症、関節破壊を止める為には、”早期から強力で積極的な抗リウマチ薬が必要”
○抗リウマチ薬は、リウマトレックス(メトトレキサート、以下MTXと記載)、リマチル、 アザルフィジンなど、またレミケードやエンブレルなどの生物学的製剤もこれにあたる。 ※メトトレキサートは、この中でも支え・よりどころとなるアンカードラッグである! → ・関節炎を抑える力はとても強い(早期から高用量で) ・血液の中から消えていくスピードも早い(2、5時間で約半分になる) ・DNA、遺伝子に傷を付ける薬でない。ただし妊娠を望む場合は 休薬が必要。 ・関節破壊を抑える力が十分とはいえない、副作用などの欠点もある。 ・服用の場合は、葉酸が不足して口内炎や消化器症状の副作用が出るこ とがあるので、葉酸(フォリアミン)を補充。 ・・・葉酸は、MTXの最終投与日から中1日おいて1錠(5ミリ/週)投与がベスト。 MTXや葉酸の量、時間によって作用が変わるので飲み方を医師によく確認する。 また、葉酸のたくさん入っている野菜ジュース、青汁、サプリメント、複合ビタミン剤 などを飲んで逆にMTXの効果を落としていることもあるので注意が必要。
※生物学的製剤 ・ピンポイントで炎症性サイトカインを抑えることができる。 (MTXは広く網をかけるように抑える感じ) ・自然界にある抗体などのタンパク質で肝臓、腎臓に負担をかけにくい。 ・感染症に対する注意が必要 → 肺炎、結核などの予防投与を ・発症10年でのレミ、エンブレル使用でも寛解導入率は2-3割ある。 ・エンブレルはMTXを併用しなくても使用できるが、併用したほうが効果も安全性も 高いといわれている。 ・レミやエンブレルが効かない場合は、新しい製剤(ヒュミラ、アクテムラ)へスイッチ。 アバタセプト、ゴリムマブといった新しい生物学的製剤も治験、開発中である。
~以下は、パネルディスカッションより(聴講者からの質問への回答) ○リハビリについて・・・リウマチ科とリハビリ科が併設されている病院がよい。 訪問リハビリという方法もあるので、まずはドクターと相談。 炎症を抑えてから動かす。 次の日に疲れや痛みが残らない運動量の設定を。 やりすぎはモチベーションを下げるし、関節負担になる。 ○薬の副作用の心配・・・薬の副作用を心配するより、病気の進行を心配したほうがよい。 ○結核予防(イスコチン)の投与・・・原則6~9ヶ月で止められる。 ○レミの限界はあるか・・・副作用が起こりやすいのは2~4回目。 続けることで感染症が増えることは考えにくい。 ○アクテムラ・・・感染症がある人には使えない。感染症がよりひどくなり命を脅かす。 感染症を一時的に和らげてしまうことがあるので、気をつけて使わなけ ればいけない。 副作用については、市販後調査しているところ。
○薬の副作用が恐い・・・副作用のない薬はない! 薬の副作用はいつ出るかが重要(出方、時期など) 長期にわたっておこる →副腎皮質ステロイド 人工的薬 →肝臓、腎臓に負担 生物 〃 →肝臓、腎臓そのものに影響はないが、狙い撃ち しているそのものを抑えることによる感染症が出 てくる。
以上です。長々読んで下さってありがとうございました(^^; メモ書きしてきたものが十分でないので、???なんてこともあるかもしれません。 話半分に読んでください(^^; 感想は、竹内先生の話がとっても上手だったっていうこと。さすがです あとは、全ての患者さんに”寛解”が可能になってきたということ、更に”治癒”という目標 にリウマチの病気そのものが変わってきているということを感じました。 未来は明るいですよ。一緒に頑張りましょう
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Last updated
2008.11.09 23:52:08
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