超常現象の研究53
▼サイエンスQによる超能力実験1NHKの科学番組「サイエンスQ」の「超能力は存在するか:徹底解剖・気功の謎」は1989年に放映された。当時ビデオを撮り忘れたので、どこかでビデオが手に入らないかなと探していたら、取材先の気功研究機関が持っており、ダビングさせてもらった。番組は清田益章に対する実験の場面から始まる。アクリル板で囲んだ中に200グラムの分銅を二個吊るしておく。清田はその分銅に向かって外から念を送ると、分銅が動き出す。アクリル板の上に置いた水は水平を保っているので、アクリル板が揺れているのではなく分銅だけが動いていることがわかるのである(そういえば7月11日に清田氏の講演会があります。昨年大麻取締法違反で逮捕されて以来、どうしているかなと思っていたら、ようやく活動を再開したみたいですね。公式HPでは只今「充念中」と書かれていました)。続いて登場するのは、中国気功術の第一人者である趙偉だ。実験はNHKのスタジオ内で、すべてNHK側が道具や材料を用意して実施された。NHKスタッフのほかに、佐々木茂美(機械工学)、品川嘉也(生理学)といった大学教授や作曲家三木たかしら有識者も実験に立ち会った。風の影響を排除するため、アクリル板で衝立のような囲いをつくり、その中にロウソクを趙の側から見て縦に6本並べる。趙は一番手前のロウソクから約一メートル離れた場所に立ち、そこから右手を伸ばしてロウソクに向かって気を飛ばす。趙の指先と手前のロウソクとの間は三〇センチほどである。次の瞬間、ロウソクの炎が次々と倒れていく。その倒れ方も変わっている。1本1本が別々の方向へ、しかも時間をかけてゆっくりと順番に倒れていくのである。もし風がロウソクの炎を倒したのであれば、炎は同じ方向へ、タイム差なしに倒れるはずであった。気の力で、炎は確かに倒れたのである。では物体ではどうか。今度はさらに実験条件を厳しくして、自分の吐く息などが影響を与えないよう、念のために趙の顔にマスクをつけて実施された。同様にアクリル板の中にディスクを吊るして、50センチ離れた場所から趙に気を込めてもらう。するとすぐにディスクが動いたのである。気の力で物体も動くことが確認された。スタジオ内がどよめいた。趙は膨らんで硬くなっている自分の腹から胸にかけて実験者に触るようにいいながら、説明した。「気というエネルギーを腹にためて、右手から出すのです」(続く)