失われた過去を求めて57
▼意識が創る宇宙一つだと思った軌跡は実は複数あり、一箇所にとどまっていると思った電子は実は同時にいたるところに存在していた。素粒子の不思議な世界の実験は次のように行われた。板に小さな隙間を上下に二つ開け、電子を一個ずつその隙間に向けて打ち込む。電子は上下どちらかの隙間を通って反対側へ抜けていく(はずであった)。その電子がどちらの隙間を通ったかを調べるため、板の向こう側にスクリーンを置く。スクリーン上でその分布状況を調べると、どちらか一方の隙間を通ったというよりも、一つの電子が上の隙間を通った世界と下の隙間を通った世界が同時に存在し、干渉しあっているように分布していたのだ。それだけでも不可解なのに、さらに不思議な実験結果が得られた。どちらの隙間を通ったかを調べる測定器を板に設置して観測を開始すると、どちらか一方の隙間を通ったように分布したのである。測定器で観測するだけで、今まで同時に存在していた複数の世界が一つに収束されたことになる。私は最初にこの実験結果を聞いたとき、「信じられない」と思った。一つであると思った世界が、実は複数存在していたわけである。しかも、意図的に観測すると、複数存在していた世界から一つの世界が選択される。これはコペルニクスの地動説に匹敵する、意識変革が必要になる。あくまでも推測だが、この現象が複数ある過去や未来と、この世界の関係の謎を紐解くヒントになるのではないかと思っている。意識をしなければ、過去はいたるところに複数存在する。ところが人間が、意識と目的を持って観測を始めると、一つの過去に収束するのである。この意識こそ、世界を決定する最大の要因となる。意識は今ここにあり、すべての世界を創り出す。意識は宇宙のすべてであった。この推論に関連して、チャネラーの半田さんと冥王星の宇宙存在オコツトが『シリウス革命』の中で次のように述べている。半田:現在、地球の物理学は行き詰まっています。それは物質を構成する究極の素材だと思われていた素粒子が、僕たちの感覚では描写できない高次元の存在だということが分かったからです。量子は粒子のように振る舞うこともあれば、一方で、波動のような側面を見せることもあります。さらには、空間的、時間的にかかわらず、距離というものも超越しているような存在であるとも言われています。そして、僕らはこのような量子が指し示す挙動の意味を全く理解することができません。量子の本質を理解することは果たして可能なのでしょうか。オコツト:はい、それは可能です。あなたがたが素粒子の本質を理解することが、実は最終構成(注:人間が人間であることの最終的な段階へと達すること)の完成を意味するのです。半田:素粒子の本質を理解することが、最終構成の完成・・・・・・どういうことですか。オコツト:あなたがたの科学が発展してきた本当の理由について言っています。プレアデスは人間の意識進化を作り出すために統制を行ってきたのです。あなたがたは宇宙創造の秘密が物質に隠されていると信じ、意識をミクロの世界に向け始めました。しかし、認識の限界に当たりました。それが素粒子だったわけです。そこには次元のカベがあります。つまり、人間の内面というカベです。素粒子の世界は中性質(注:覚醒が生まれた後の意識)と調整質(注:覚醒が生まれていない状態の意識)をつなぐ役割を持った次元です。ですから、人間の内面から出なければ絶対に理解することはできない世界なのです。(続く)