マルタの巨石神殿をめぐる22(ハジャー・イム神殿)
タルシーン神殿を後にした私たちは、一度ヴァレッタにバスで戻り別の路線バスに乗り換えます。私たちが次に向かったのは、ハジャー・イム神殿とイムナイドラ神殿でした。マルタ本島南の海が見下ろせる高台に紀元前3600~2500年に建造された二つの巨石神殿で、500メートルほど離れて建っています。一番手前には展示館があり、既に前日購入した共通チケットを機械に読み取らせて入館します。そこで簡単なマルタ巨石文明のビデオを見て、館内の展示物を見学します。ハジャー・イム神殿から発掘された女性像です。以前ご紹介したマルタのヴィーナスもこの神殿から出土しました。マルタのヴィーナスはこちらですね。ここで観光マーケティングの調査をしているという若い女性のアンケートに協力します。最初は学芸員の人かと思ったのですが、ドイツからわざわざマルタ観光局みたいなところに短期間出向いて、観光資源の活用方法等を学んでいるとのことでした。この女性とは帰りのバスでも一緒になり、いろいろマルタの話が聞けて面白かったです。次に実際のハジャー・イム神殿を見学するため、外に出ます。神殿は展示館からすぐの場所にありました。これが神殿の入り口です。神殿全体はこれ以上太陽光や風雨で劣化させないようにとテントで覆われていました。神殿の中はいくつもの部屋に分かれており、精緻な造りになっています。紀元前2800~2400年に建造された巨石神殿です。1839年から発掘が始まり、全体像が明らかになったのは1910年。ハジャー・イムとは「聖なる石」「崇拝の石」という意味だそうです。このように細かな装飾が施された祭壇とされる石もありました。(続く)