北海道唯一の国宝、名付けて「ジャガマン」
昨日紹介した函館市縄文文化交流センターの中で、ほかにも重要な出土品を三点だけ(一つはレプリカ)紹介しておきましょう。まずは漆塗りの土器です。これはレプリカで、時代も縄文時代後期のものですが、この赤漆塗り注口土器が出土した垣ノ島遺跡からは、世界最古(約9000年前)の漆工芸品も見つかっています。まさに漆製品のメッカみたいなところだったんですね。そしてこちらも興味深い、足形付き土版。縄文時代早期後半(約6500年前)のものです。大湯環状列石から出土した、1~6の数を刻んだ「計算器土版」を彷彿とさせます。土をこね、そこに模様を掘り込む技術は、シュメル文明につながるものがあります。こちらのほうがシュメル文明よりも古いところが凄いです。もう一点は、北海道唯一の国宝に指定された中空土偶。古代版の「ウルトラマン」みたいです。完成度が高いですね。垣ノ島遺跡の近くの北海道旧南茅部町(現在の函館市尾札部町)のジャガイモ畑で発見されました。名付けて「ジャガマン」・・・・・・私が勝手に名付けました。本当は女性なので「ジャガ子さん」?縄文時代後期(約3200年前)の土偶です。次回は北海道から離れて、山梨・長野両県の縄文遺跡をご紹介しましょう。