月と富士山
29日の朝、富士山の上方に月が見えたので、急いでカメラを持って撮影に行きました。そして、ちょど富士山の「真上」に来たときを捉えます。それがこちらの写真。月と富士山のツーショット。ちょうど一週間前の22日に亡くなった伯父の通夜が行われる日の朝の写真です。伯父には中学生のとき二回ほどスキーに連れて行ってもらったことがあります。自由放任主義で私は勝手に滑らせてもらっていたのですが、宿屋からスキー場までは40分ほど山の中を歩かないといけなかったんですね。行くときは伯父が付いていましたから道を教えてもらいましたが、帰りは一人で道なき道をスキーを履いて歩いて宿屋に帰らなければなりませんでした。ところが私は、途中で谷を一つ間違えて道に迷ってしまったんですね。幸いまだ体力は残っていたので、もう一度尾根まで登り直して道を修正、何とか日暮れまでには宿屋に戻ることができました。伯父からは「遭難したかと思って今から探しに行こうかと思っていた」とちょっと叱られたことがありました。で、実はこの時の「遭難体験」を高校生のときに「冬の花」というタイトルで作文で書いたんです。この作文が高く評価されて現代国語は5を取りました。思えばこの時、物書きになる自信が付いたのではないかと思うんですね。同時に作文の書き方の極意の一つを会得したように思います。つまり人に伝えたくなるような経験や体験をすることが、作文の上達には不可欠だということです。これは新聞記者の心得でもあります。いい記事を書くためには足で稼いで取材するしかないんですね。つまり机上の空論ではいけないんです。とにかくたくさん取材(体験や経験)をする。それが良い文章を書く一番の近道でもあります。そうこう書いているうちに今年も暮れて行きます。もうすぐ日没。古い年は過ぎ去り、新しい年がやって来ます。どうぞ良いお年をお迎えください。