マルタ騎士団のシンボル
先日ゴゾ島の「青の洞窟」を紹介したついでに、ゴゾ島のお隣のマルタ島で見つけた、いくつかのシンボルをご紹介しましょう。まずは有名なマルタ騎士団のシンボル(紋章)。結構あちこちで見かけます。同じ十字でも、尖端が二つに割れているところがオシャレですね。マルタ騎士団は、キリスト教カトリックの騎士修道会で、正式には、ロードス(ギリシャ)及びマルタ(マルタ共和国)におけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会と言います。歴史的には、12世紀の十字軍時代のパレスチナで発祥した「聖ヨハネ騎士団」(テンプル騎士団、ドイツ騎士団と並ぶ、中世ヨーロッパの三大騎士修道会の1つ)が現在まで存続したものであるとされています。国家ではないものの、かつて領土を有していた経緯から「主権実体」として承認している国(イギリス、イタリア、スペイン、ロシアなど)もあるそうです。国際連合では「オブザーバーとして参加するために招待を受ける実体(entity)あるいは国際組織」として扱われており、「加盟国」とも「非加盟国」とも異なる立場であるそうです。何か面白い組織ですよね。領土なき「国家」というか、複数の国にまたがって存在する実体とは。そうした結びつきを何百年も維持できるのも、やはり紋章(シンボル)の力があるからではないでしょうか。